研究課題/領域番号 |
63570246
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
小川 博 近畿大学, 医学部・衛生学, 講師 (00133546)
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研究分担者 |
西川 友世 近畿大学, 医学部・衛生学, 助手 (30172638)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1991年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 脳卒中易発性高血圧自然発症ラット / リポ蛋白 / アポ蛋白 / 肝性トリグリセライドリパ-ゼ / リポ蛋白リパ-ゼ / 高脂肪・高コレステロ-ル食 / 京都ウィスタ-ラット / 高血圧 / 脳卒中易発性高血圧自然発症ラット(SHRSP) / 高脂肪・高コレステロール食 / Apo B / apo A-I |
研究概要 |
1.ロケット免疫電気泳動法によるラットアポ蛋白B(apoB)の定量法の確立を行った。(1)まずラット血清d:1.020ー1.045(g/ml)分画よりImmunoaffinity columnとFPLC(Superose12)を用いてapoBを単離した。(2)ウサギにて抗apoB抗体を作製し、その抗血清を用いてロケット免疫電気泳動法にてapoB定量法の確立を行なった。 2.SHRSPとWKYを用い、血清apoBの定量を行った。(1)3週齢ではほぼ同値を示すが、5週齢以降は、WKYの含量がSHRSPより高い傾向を示した。(2)両ストレインとも8〜12週齢付近まで1旦含量が減少するが、その後上昇しブラト-となる。(3)動脈硬化指数の一つとされるapoB/apoAー1は、8ヶ月齢までは両ストレイン間に差はない。 3.血清リポ蛋白代謝律速酵素であるリポ蛋白リパ-ゼ(LPL)と肝性トリグリセライドリパ-ゼ(hーTGL)のPostーheparin Plasma中における分別定量法の確立を行った。(1)ラット肝臓perfusateを出発物質とし、HeparinーSepharose親和性クロマト、FPLC(Mono Q)を使用してhーTGLの精製を行い、ウサギにて抗ラットhーTGL抗体を作製した。(2)抗血清をPostーheparin plasmaに加えることにより、hーTGL活性をImmunoinactivationし、LPL活性をSchotzらの方法に準じてRIA法にて測定した。同時にPHLA活性を測定し、PHLAよりLPL活性を減じてhーTGL活性を求めた。 4.高血圧の確立した20週齢で、SHRSPはWKYに比較し、LPL活性は有意に低く、逆にhーTGL活性は有意に高くなっていた。この酵素活性の違いが、コレステロ-ル逆転送リポ蛋白であるHDL_1(apoE HDL)含量低下というSHRSPのリポ蛋白組成を特徴づけていると判断される。 5.高コレステロ-ル食負荷により高コレステロ-ル血症を誘導すると、SHRSPではhーTGL活性の変動は少なく、LPL活性が大きく上昇する。しかしWKYのLPL活性上昇値と比較し依然として低く、カイロミクロン、VLDLの分解低下と、HDL_C生成減少によりatherogenicリポ蛋白が上昇しやすい動態になると考えられる。 6.これまでに肝臓におけるコレステロ-ル異化律速酵素であるCholesterolー7αーhydroxylase活性の測定法の確立も完了しており、残るコレステロ-ル生合成律速酵素であるHMGーCoA reductase活性測定を可能にすれば、血清ならびに肝臓における総合面での脂質代謝の研究を進展させることができると考える。
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