研究課題/領域番号 |
63570259
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
脇阪 一郎 鹿児島大学, 医学部, 教授 (90041269)
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研究分担者 |
安藤 哲夫 鹿児島大学, 医学部, 助手 (10107865)
泊 惇 鹿児島大学, 医学部, 助手 (00136855)
柳橋 次雄 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (40124854)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 火山灰 / 桜島火山 / 亜硫酸ガス / 国民健康保険 / 呼吸器疾患 / 火山性大気汚染 / 呼吸器系疾患 / 死亡像 / 時系列解析 / 亜硫酸ガス濃度 |
研究概要 |
桜島火山に近い垂水市(昭和60年度の国勢調査時人口23,504)で、火山から距離的に近い順に牛根、海潟、柊原、新城の4地域をえらび、それぞれの地域において昭和62年度(1月〜12月)に国民健康保険により診療をうけた件数と人数及び診療内容を呼吸器系疾患(非感染性呼吸器疾患、感染性呼吸器疾患、感冒、鼻炎、塵肺、その他)、結膜炎、皮膚炎に限定して調査し、これら疾患による医療機関利用状態に地域間で差が見られるか否かを検討した。その結果、大要以下の如き所見が得られた。 (1)桜島火山からの距離が近い牛根、海潟両地区では、距離の遠い柊原、新城地区に比較して、非感染性呼吸器疾患、感染性呼吸器疾患、感冒の各カテゴリ-に属する呼吸器疾患による受診率、受診者率が高い傾向があり、特に新規受診の割合が高い傾向があった。一方、鼻炎、結膜炎、皮膚炎等の受診率には地区間で差はなかった。このことは、火山性大気汚染の暴露レベルが高い地域では、急性の呼吸器症状を訴える者が多く、それが受診率の上昇につながっていることを示唆する。 (2)非感染性呼吸器疾患、感染性呼吸器疾患及び感冒の各カテゴリ-に属する呼吸器疾患の月別受診件数は、冬季に多く夏期に少ない季節変動を示した。この季節変動には、火山性の亜硫酸ガス濃度により多少とも影響をうけているものと推定されたが、その程度は気象因子による季節変動の中に埋没するほど僅かであろうと考える。 (3)火山に近い牛根、海潟の両地区では、診断名に塵肺と記載されている者が数名発見された。もし、これが真に塵肺であって非職業性であれば重大であるが、本研究では職業歴に関する情報が得られなかったので、果して火山灰によるものか否かは不明である。
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