研究課題/領域番号 |
63570265
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
公衆衛生学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
福田 勝洋 久留米大学, 医学部・公衆衛生学講座, 教授 (60045416)
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研究分担者 |
柴田 彰 久留米大学, 医学部・公衆衛生学講座, 講師 (10113226)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 原発性肝がん / 症例対照研究 / HBs抗原 / 輸血 / 飲酒歴 / logistic regression model / 多変量解析 / 輸血歴 / 喫煙歴 / HBsAg |
研究概要 |
昭和63年4月以降平成2年12月末日までに、久留米大学病院に入院した肝がん患者は654名で、このうち症例としての適格条件(原発、年齢40ー69才、福岡または佐賀県在住など)を満たした者は191名、さらに、面接調査と医歴調査が終りフロッピ-への入力が完了した症例対照組(1:1)は133組(男110組、女23組)となった。年齢は男では55ー59才、女では60ー64才の者が最も多かった。症例の約8割は組織診断を受け、また、約9割が肝硬変を合併していた。対照の入院時疾患はがんや消化器潰瘍が多かった。HBs抗原は男の症例の10%、女の17%が陽性で、対照はそれぞれ1%、4%が陽性を示し、10年以上前の輸血歴は男の症例の19%、女の26%、対照のそれぞれ7%、4%が有していた。飲酒量の単位としてエタノ-ル換算量23mlを1drinkとする、「drink数×飲酒年数」のdrinkーyearsを用いて、40才までの飲酒量をみると、男の症例の74%、対照の60%は1drinkーyears以上の飲酒者であり、多量飲酒者は症例に多かった。女は症例対照とも大半が1drinkーyears未満の飲酒者であった。男ではこれらの3要因はlogistic regression modelを用いて単変量解析すると、いずれも有意のオッズ比を示したが、女では皆無であった。これら3要因は相互には無相関であった(x^2検定)。これら3要因を同時に用いての多変量解析の結果は、それぞれの要因を持たない者に比べて、HBs抗原陽性者は11.8倍、10年以上前の輸血歴保有者は3.0倍、40才までの飲酒量60drinkーyears以上の者は5.6倍、いずれも有意に肝がん罹患のリスクが高いことが判明した。男の40才までの飲酒量と肝がん罹患との間には、有意(x^2=9.0)の量・反応関係が観察された。これらの知見は過去11年間の疫学的研究報告結果と類似していた。
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