研究課題/領域番号 |
63570282
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山田 明 東京大学, 医学部(病), 助手 (70175660)
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研究分担者 |
寺井 千尋 東京女子医科大学, 講師
高野 清豪 東京大学, 医学部, 医員
野島 美久 東京大学, 医学部, 助手 (90201699)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 自己免疫疾患 / 養子免疫療法 / ループスマウス |
研究概要 |
In vitroで活性化した細胞を体内に導入する、いわゆる養子免疫療法は近年、悪性腫瘍性疾患に試みられて好成績を収めているが、これをヒト全身性エリテマトーデス(SLE)のモデルであるループスマウスの治療に応用することを目的とした。ループスマウスのポリクローナルなB細胞の活性化の原因としてサプレッサーT細胞の機能障害が想定されているが、自身のサプレッサー機能を誘導することは困難である。これは組織適合抗原の合致する健常なマウスのサプレッサーT細胞を移入することによって克服可能と考えた。ループス発症マウスであるNew Zeal andBlack/White F1 hybrid(NZB/WF1)に体してはBalb/CとNZWのhybridの脾細胞を、今一つのループスマウスであるMRL/lprに対しては健常なMRL/nの脾細胞を使用した。それぞれの脾細胞をconcanavalin Aで刺激したものを尾静脈より1週間毎に、8〜10回移入して、生存率、体重、尿タンパク、血中イムノグロブリン、腎組織などを検討した。NZB/WF1においては対照群との間にこれらの指標に差を認めなかったが、これは移入した細胞の持つNZW由来の遺伝子が自己免疫発症の方向に働いた可能性がある。なお、10匹中1匹に眼窩内腫瘍の発生を見た。MRL/lprについては、なお実験継続中であるが、このマウスの特徴である全身のリンパ節腫脹が、対照群に比して著明に抑制されており、本治療法の有効性が示された。自己抗体産生に対する効果に関しては検討中である。体重、尿タンパクの出現に関しては、現在のところ差は認められていない。従ってリンパ節腫脹と腎症の発現は無関係のようである。NZB/WF1の一部に腫瘍の発生を見たことはconcanavalin Aによって誘導されたサプレッサーT細胞がnatural killer cellの働きをも抑制したという可能性が考えられ、この点に関しては改めて検討する価値があると思われる。
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