研究課題/領域番号 |
63570307
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
牧野 勲 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60088854)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 赤血球 / ケト胆汁酸 / 還元能 / 負荷試験 / デヒドロコール酸 / 肝胆道疾患 |
研究概要 |
胆汁酸の酸化還元は従来、肝臓ないし腸内細菌に限って営まれると考えられて来たが、最近我々は赤血球にもケト胆汁酸の還元作用のあることを見出し、胆汁酸代謝に赤血球が関与する未知領域のあることを指摘した。本研究は赤血球の胆汁酸還元機構について生化学的特質を明らかにした上、正常ならびに肝胆道疾患での異常様相を検討し、下記の成果を得た。 1.赤血球の胆汁酸還元機構の生化学的特質 デヒドロコール酸を始めとする各種ケト胆汁酸を基質として用いた試験管内実験から、赤血球には3ケト体を3αないし3βハイドロキシ体に変化させる還元能を認めた。しかし7ケト体、12ケト体の還元能は存在しなかった。また3ケト体還元酵素系は赤血球と肝と同一でないことが推測された。 2.正常におけるケト胆汁酸の大循環系内還元反応 デヒドロコール酸(1g)を正常人に経静脈投与し、その後の血中還元代謝産物を酵素法ないし各種クロマト法で検討した。血中デヒドロコール酸の速やかな消失に伴い、代謝産物である3αハイドロキシ体は増加し、5〜15分で頂値に達した後、減少した。そのほとんどは3αハイドロキシーク,12ケト酸であった。 3.肝胆道疾患における赤血球のケト胆汁酸還元能 デヒドロコール酸(1g)を肝胆道疾患患者に経静脈投与し、その後の血中還元代謝産物の濃度曲線を検討した。その結果、正常人と同様に血中3αハイドロキシ体の増加を認めたが、血中からの消失は遅延していた。一方患者赤血球を用いた試験管内実験からは赤血球の還元能は正常範囲に保持されているのを認めた。
|