研究課題/領域番号 |
63570316
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金子 義保 東京大学, 医学部(病), 助手 (90124669)
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研究分担者 |
浜崎 卓 東京大学, 医学部(病), 医員
中山 利文 東京大学, 医学部(病), 医員
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 肝再生 / 癌遺伝子 / mRNA / 細胞増殖因子 / 細胞癌遺伝子 / 転写調節機構 / 肝細胞 |
研究概要 |
肝部分切除後の再生過程ではC-fosやc-mycなどの細胞癌遺伝子が遂次的かつ一過性に発現される。この機序を分子レベルで解析するためには、in vitroの実験系が有用と思われた。そこでin vivo癌遺伝子の遂次的発現を再現できる培養細胞を用いた実験系の確立を試みた。ヒト正常肝細胞や肝癌細胞を無血清培地で培養することにより増殖を停止させる。EGFやPDGFで刺激することによりこれらの細胞は再び増殖を開始する。この際にc-bosやc-mycが遂次的かつ一過性に発現され、その経過はin vivoの癌遺伝子の遂次的発現とほぼ同じであることが確認された。従って in vivoの肝再生過程に於ける癌遺伝子発現の機序をこれらの培養細胞系を用いて研究することが可能であろうと思われた。そこでこの培養細胞を用いてc-rosやc-mycの発現に影響する因子とその作用機序の解析を行なった。肝癌細胞におけるc-mycの発現はc-キナ-ゼを活性化するフォルボ-ルエステルやテレオシジンで増殖を抑制し分化を誘導すると減少する。この現象はDNaseI感受性でみた遺伝子の高次構造の変化を伴わない。酪酢ナトリウムも同様にc-mycの発現を抑制するがDNaseI感受性には影響しない。一方トポイソメラ-ゼII阻害剤ノボビオシンはc-mycのDNaseI感受性を減弱させるがc-myc mRNA量の減少は伴わない。このようなデ-タからフォルボ-ルエステルやテレオシジンによるc-myc mRNA量の減少は転写促進因子の減少あるいは何らかの転写抑制因子の誘導による可能性が示唆がされた。肝再生や増殖抑制に伴うc-fosやc-mycの転写調節に関与するであろう核内DNA結合蛋白を解析するためにこれらの遺伝子の5'側上流の塩基配列を化学合成しゲルシフトアッセイを試みる必要があるものと思われた。
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