研究課題/領域番号 |
63570342
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊地 喜博 東北大学, 医学 部附属病院, 助手 (20195217)
|
研究分担者 |
飛田 渉 東北大学, 医学部附属病 院, 助手 (10142944)
井上 洋西 東北大学, 医学 部附属病院, 助手 (40133962)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1988年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 呼吸困難 / 脱迷走神経 / 気道麻酔 / 気道抵抗 / 呼吸中枢 / 呼吸の行動性調節 |
研究概要 |
呼吸困難に及ぼす求心性迷走神経活動の効果を調べる目的で、気道のi rritant receptor刺激症の強いHistamineで気道抵抗を上 昇させた場合の呼吸困難感を、Lidocaine吸入による気道麻酔前後で調べた が、Lidocaine吸入後、呼吸困難の程度は有意に低下し、迷走神経活動の上 場は呼吸困難感を増強させることを明らかにした。対象は健常男性6名である。呼吸 困難の測定は (1) Histamine吸入により気道抵抗が上昇した状態、 (2) 外部抵抗を附加した状態、の2つの条件において行なったが、それぞれLidoca ine吸入前後で呼吸困難の測定を行ない、気道麻酔の呼吸困難に対する影響を検討 した。Histamineの実験では、まず50my/deのHistamineエ アゾールを吸入させ、気道抵抗を初期値の3〜4倍まで上昇させた。次にあらかじめ 得られたCO_2換気中の換気パターンをオシロスコープ上にデータレコーダより プレイバックし、被検者に換気パターンを模する様呼吸させ、その時の呼吸困難感を Visnal anologne scaleにて測定した。又、換気中のoccl usion pressue (P_<0.1>) 、分時換気量も同時測定し、呼気終末 CO_2濃度は安静時と同じに保った。この呼吸困難測定はHistamineに 4%Lidocaine吸入を加えた後同様にくり返し、Histamine単独と 比較した。さらに、1.9cmH_2O/l/seeの外部抵抗を附加し、同様の 測定法で呼吸困難を調べると供に、Lidocaine吸入の効果も検討した。Hi stamineで抵抗を上昇させた時の呼吸困難感はLidocaine吸入により 、それぞれ、1.2±0.8 (平均±標準偏差) から0.6±0.4 (安静時) 、4 .0±1.1から2.3±1.2 (P_<0.1>5cmH_2O時) 、7.2±3 .3から5.6±3.6 (最大の換気時) と有意に低下した。これに対し、気道麻酔 は外部抵抗附加時の呼吸困難を変化させなかった。以上のことは、肺の求心性迷走神 経活動 (この場合おそらくはirritont receptorからのもの) が呼 吸困難を増強させることを示しており、これは少なくとも一部は、呼吸中枢を介さず 高位中枢に直接作用しているのと考えられた。
|