研究課題/領域番号 |
63570346
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
永井 明彦 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (00164377)
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研究分担者 |
張 高明 新潟大学, 通信部・附属病院, 助手
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | IVS / TIL / Adoptive immunotherapy / BAL / adoptive immunotheropy / LAK / adoptive immunotherapy |
研究概要 |
本研究の目的は、原発性肺癌患者の肺腫瘍周囲に浸潤するリンパ球をはじめとする単核球を分離し、ヒトリコンビナントインタ-ロイキン2(rIL2)を用いたIVS(in vitro sensitization)システムを応用し、腫瘍細胞に特異的なTIL(tumor infiltrating lymphocyte)を分離誘導し、その細胞学的特徴を検討することにより、養子移入免疫療法adoptive immunotherapyの基礎的研究を行うことにあったが、当初計画した研究目的や研究方法は動物実験(マウス線維肉腫MCA105、MCA106)では殆ど計画した通りに行えたが、臨床的に原発性肺癌患者より実際に腫瘍特異的Tリンパ球を分離誘導することは計画通りにいかなかった。気管支肺胞洗浄BAL(bronchoalveolar lavage)により腫瘍周囲に浸潤するTリンパ球を集め、分離培養したり、クロ-ニングすることが技術的に困難であるためであった。肺癌所属リンパ節を外科的に切除できれば、抗腫瘍Tリンパ球を集めることは難しくはないが、対象患者は臨床病期がIV期の手術不能症例が多いので、外科的切除により抗腫瘍Tリンパ球を得ることには限界があった。むしろ臨床病期IIIB期の癌性胸膜炎合併症例の胸水より、抗腫瘍Tリンパ球を得ることの方が容易であり、腫瘍細胞の培養も同時に行えるので、当初予定した基礎的検討の一部を省略し、当該年度においては、癌性胸膜炎・癌性膜炎症例に対し、IVS細胞をrIL2と共に胸腹腔内局所や全身的に投与する治療プロトコ-ルを作成し、原発性肺癌6例、転移性肺癌2例の計8例に施行した。この結果、原発性肺癌の3例に有効であることが認められ、これらの成績はマウスMCA105におけるIVS細胞誘導の基礎的検討と共に平成元年度(1989年度)の日本癌学会、日本肺癌学会、第二回JBRM学術集会総会において発表した。
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