研究課題/領域番号 |
63570358
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 福島県立医科大学 (1989) 東北大学 (1988) |
研究代表者 |
塚本 哲朗 福島県立医科大学, 神経内科, 講師 (20171978)
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研究分担者 |
義江 修 シオノギ製薬, 研究部, 部長 (10166910)
山本 悌司 福島県立医科大学, 神経内科, 教授 (10106487)
岩崎 祐三 東北大学, 医学部・病態神経学, 教授 (00142927)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 亜急性小脳変性症 / 抗神経自己抗体 / 悪性腫瘍 / cDNAクロ-ニング / 亜急性小胞変性症 |
研究概要 |
Paraneoplastic cerebellar degeneration(PCD)6例(卵巣癌2例、子宮癌2例、乳癌1例、肺癌1例)の血清中の抗神経自己抗体をラット脳を用いて免疫組織学的に調べたところ、全例に抗体陽性であった。抗体はプルキンエ細胞に限らず、脳、脊髄の神経細胞にも特異的に反応したが、染色パタ-ンは2種類見られ、Eator-Lambert症候群を合併した肺癌の1例(small cell carcinoma)のみ異なる所見を示した。イムノブロット法では4例の抗体が52kdの抗原蛋白を共通に認識したが、他の1例(乳癌は30kdと46kd、もう1例(肺癌)は38kdと40kdを特異的に認識した。PCDに見られる自己抗体は多種類の神経細胞と反応し、認識する抗原は症例により異なることがわかった。健康人6例、SCD3例、ALS3例は全て抗体陰性であった。 これら自己抗体が細胞障害性を示すかどうかを神経組織培養を用いて検討した。小脳および後根神経節の組織培養に10%の患者血清を投与した。抗体の取り込みは蛍光抗体法で確認されたが、10日間の観察期間中神経細胞の変性は見られなかった。 次に52kd蛋白を認識する患者血清抗体を用いて、ヒト小脳cDNA libraryより52kd蛋白をコ-ドするcDNAクロ-ンを分離することに成功した。このcDNAsequenceより予想される蛋白質は450のアミノ酸よりなり、分子量は51238と計算された。PCR法を用いてこの遺伝子が発現している組織を調べてみると、神経組織だけでなく、消化管組織の中にも発現されていることがわかった。このことをさらに確かめるために、現在消化管組織を免疫組織化学的に検討している。
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