研究課題/領域番号 |
63570363
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
塚田 直敬 信州大学, 保健管理センター, 文部教官教授 (90020792)
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研究分担者 |
足立 憲昭 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (80151075)
高 晶星 (高 昌星) 信州大学, 医学部・附属病院, 助手 (80143981)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 多発性硬化症 / リンパ球 / 脳血管内皮細胞 / 抗Ia抗体 / 細胞障害 / 標的細胞 / T-リンパ球 / 細胞障害性 |
研究概要 |
多発性硬化症の病因に免疫的因子が関与しているといわれているが、この疾患において抗原物質、標的細胞が何であるか明らかにされていない。また最近多発性硬化症では脳血管内皮細胞が抗原提示細胞として重要な役割をしていることがわかってきた。免疫担当細胞である患者リンパ球と脳血管内皮細胞との接触が多発性硬化症の病因を究明する上で重要であると考えられている。今回我々は多発性硬化症患者末梢血リンパ球を脳血管内皮細胞と反応させ、その細胞障害性を検討した。 多発性硬化症患者末梢リンパ球また脳血管内皮細胞溶解率は対照群(健康人)に比べて有意の差で増加していた(p<0.01)。また急性の再発性型の多発性硬化症患者のうち病勢が活動期にある症例では非活動期のものに比べて有意の差で増加してしいた(p<0.01)。また内皮細胞の融解率は抗Ia抗体を加えることより、その融解率が有意(p<0.02)にブロックされた。以上より多発性硬化症患者では末梢血中に脳血管内皮細胞を標的とするTリンパ球の細胞障害活性が存在することが判明した。また抗Ia抗体よりその細胞隔解率がブロックされることからMHCclassIIを認識したリンパ球、すなわちCD_4陽性細胞がこの細胞障害活性に関与している可能性が大である。この細胞障害の結果、脳血管内皮細胞の凝固因子を活性化し、血管周辺脳実質の脱髄に関与してくることが考えられる。多発性硬化症患者末梢リンパ球の脳血管内皮細胞を標的とする細胞障害活性の存在は多発性硬化症の初期の病因、特に血液、脳関門の破綻の病因に関与していることが考えられた。
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