研究課題/領域番号 |
63570379
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
礒山 正玄 (磯山 正玄) 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (10133943)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 心肥大 / 圧負荷 / 冠自動調節能 / 冠予備能 / 冠血管抵抗 / 肥大退縮過程 / ラット / 大動脈狭窄 / ランゲンドルフ標本 / 冠潅流 |
研究概要 |
高血圧は、心肥大、冠血管自動調節能の障害及び冠血流予備能の低下を生ずる。本研究の目的は(1)圧負荷により生じた冠自動調節能障害は、負荷除去後正常化するのか?(2)圧負荷時間の長さの違いは、冠血流予備能低下の回復にどのような影響を与えるか?の2つである。[方法]実験1 ラットを用い、麻酔開胸後、上行大動脈を狭窄し、閉胸(4週狭窄群)。一部のラットで4週間後、再開胸し、狭窄を解除した(4週狭窄後解除群)。狭窄解除4週後、心臓を摘出し、ランゲルドルフ標本を作製した。牛赤血球、アルブミンを加えたタイロ-ド液にて灌流し、冠灌流圧-血流関係を求めた。実験2 以上と同様の実験群に、10週狭窄群及び10週狭窄後、狭窄を解除した群(10週狭窄群、10週狭窄後解除群)を加えた。心臓を摘出後、クレブス-ヘンゼライト液にて灌流し、1分間虚血後の冠血流増加より冠予備能を検討した。[結果]実験1 4週狭窄群では、心重量がコントロ-ルの50%増の心肥大を生じ、狭窄除去後、心肥大はコントロ-ル値の11%増になるまで退縮した。冠灌流圧が50-100mmHgで、コントロ-ル群にみられた冠自動調節能は、狭窄群では消失した。狭窄解除後4週では、障害された自動調節能は正常となり回復した。実験2 負荷時間を10週と長くしても、心肥大と冠予備能の低下の程度(コントロ-ルの60%)は同じであった。また、負荷時間の長さは、狭窄解除後の心肥大の退縮の程度を変化させなかった。しかし、負荷時間の長さの違いは、負荷解除後の冠予備能の回復過程に対称的な効果を生じた。即ち、4週狭窄後解除群では、低下した冠予備能は正常に復したが、10週狭窄後解除群では、全くその回復を認めなかった。[結論]圧負荷肥大心における冠自動調節能障害は、負荷除去後、正常化しうる。また、負荷時間の長さの違いは、負荷除去後の冠予備能の低下の回復を決定する重要な因子である。
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