研究課題/領域番号 |
63570393
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
楠岡 英雄 大阪大学, 医学部, 助手 (00112011)
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研究分担者 |
佐藤 洋 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
堀 正二 大阪大学, 医学部, 助手 (20124779)
井上 通敏 大阪大学, 医学部附属病院, 教授 (30028401)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 虚血 / 再灌流障害 / 摘出灌流心 / 細胞内カルシウム濃度 / フッ素核磁気共鳴法 / 5F-BAPTA / カルシウム・オ-バ-ロ-ド / 5FーBAPTA / 摘出灌流心標本 / カルシウム・オーバーロード |
研究概要 |
本研究は、Ca^<2+>と結合する弗素化合物(5F-BAPTA)の弗素核磁気共鳴(F-NMR)スペクトルから細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>]i)を測定する手法を摘出灌流心標本に用い、虚血・再灌流に伴う[Ca^<2+>]iの動態を直接検討したものである。本研究により達成された主要な結果は、以下の通りである。 1.虚血前、虚血中、並びに、再灌流直後のそれぞれの時相における、5分毎の時間平均[Ca^<2+>]iを測定した。虚血前、対照時に比し、虚血開始後10分までは時間平均[Ca^<2+>]iに有意な差はなかったが、10-15分では有意に上昇していた。しかし、虚血15分後に再灌流を開始すると、再灌流後0-5分において、時間平均[Ca^<2+>]iは対照時のレベルに速やかに回復した。この結果より、虚血・再灌流に伴い、一過性の細胞内Ca overloadが生じていることが明らかとなった。 2.短時間の虚血後、再灌流した心筋では、細胞壊死はないにもかかわらず、収縮機能の低下が生じる。この病態はstunned myocardiumと呼ばれ、近年、臨床的に重要な問題となっている。しかし、この心収縮性低下の機序は、いまだ解明されていない。そこで、収縮性低下の機序を、興奮収縮連関の3つの構成要素、すなわち、Ca transient、収縮蛋白のCa^<2+>感受性、最大Ca^<2+>活性化張力のそれぞれの見地から検討した。F-NMR法を心周期と同期させることにより、Ca transientの測定を行い、その振幅と発生圧との関係を検討した。その結果、stunned myocardiumでは、Ca transientのparadoxicalな増大が存在すると同時に、収縮蛋白の最大Ca^<2+>活性化張力、Ca^<2+>感受性が著明に低下し、収縮性の低下がモたらされていることが明らかとなった。
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