研究課題/領域番号 |
63570394
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
真杉 文紀 (真枝 文紀) 大阪大学, 医学部, 助教授 (20165707)
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研究分担者 |
大塚 篤弘 大阪大学, 医学部, 助手 (60213766)
阪口 勝彦 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
荻原 俊男 大阪大学, 医学部, 教授 (60107042)
坂口 勝彦 大阪大学, 医学部, 医員
中丸 光昭 大阪大学, 医学部, 助手 (40150346)
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研究期間 (年度) |
1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 血小板活性化因子 / 血中PAF微量測定法 / 質量分析 / 血中PAF濃度 / 本態性高血圧症 / 食塩 / 血管内凝固症候群 / PAF / 血小板凝集阻止因子 / DIC / 細胞内カルシウム |
研究概要 |
血小板は動脈硬化や梗塞性循環器疾患と密接な関係があり、種々の因子により活性化されるが、血小板凝集の最終メディエ-タ-としてはThromboxane A_2,ADP,PAFの三者が知られている。血管内で血小板が活性化されると種々の疾患、たとえば心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症等種々の梗塞性疾患の原因となる。しかし内因性に血小板が凝集する機序については不明な点が多い。血中PAF量は微量であるため、血中PAFを測定出来るようなPAFの微量測定法はまだ知られていなかった。そこで山田らのNegative ion chemical ionizationを用いたガスクロマトグラフィ・マススペクトロメトリ-(GC/MS)法を用いヒト血中PAFの測定法を検討し、臨床応用を試みた。本法はPAFの一位の炭化水素の炭素数が16のPAF、即ち1ーhexadecylー2ーacetylーsnーglyceroー3ーphosphocholine(C16ーPAF)にのみ特異的な測定法である。C16ーPAFに対する測定感度は50fgであり、CVは3.8%であった。正常人の血中C16ーPAF濃度は18.4±6.2pg/ml blood(mean±SD,n=37)であった。本態性高血圧症患者の食事を塩分普通食(約10g食塩/日、5日間)から減塩食(2g食塩/ひ、5日間)にすると血中C16ーPAFは減少傾向を示した。減塩食から増塩食(20g食塩/日、5日間)にすると血中C16ーPAFは有意に増加した。食塩バランス時の血中C16ーPAFの変化量と血圧の変化量は正相関した。透析患者の血中C16ーPAFは透析開始後1時間から2時間にかけて有意に増加したが、透析開始4時間後には前値に復した。血管内凝固症候群(DIC)患者においても血中C16ーPAFは著明に増加し、PAFの増加と鏡像的に血小板数は減少した。心房性利尿ペプチド(hANP)は血中C16ーPAFを著明に減少させた。これらの結果から血中C16ーPAFはいくつかの病態や薬剤で変動することが明かとなった。本測定法は血中C16ーPAFの正常レベルからの増減を十分反映出来、臨床応用が可能であることが明かとなった。
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