研究課題/領域番号 |
63570404
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
牧野 直樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (60157170)
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研究分担者 |
吉田 敏 大分医科大学, 医学部, 助教授 (50158440)
矢野 健一 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (60230281)
畑 知二 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90198739)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 圧負荷肥大心 / カルシウム代謝 / アドレナリン受容体 / 膜脂質代謝 / 肥大退縮 / アンギオテンシン転換酵素阻害剤 / ラット / 自然発症高血圧ラット / カテコラミン受容体 / アルファ-遮断剤 / ベ-タ-遮断剤 / 心筋肥大退縮 / 自然発症型高血圧ラット / Na^+ーCa^<2+>交換 / Ca^<2+>ポンプ / 膜リン脂質 / Na^+K^+ーATPase / 膜イオン輸送 / 心筋肥大 / カルシウム / 心筋細胞膜 |
研究概要 |
長期間高血圧が続くと心肥大を発症することが知られている。その成因について心筋の収縮蛋白の異常が知られている。一方、心筋の収縮にはカルシウム(Ca^<2+>)イオンが必須であることから、このCa^<2+>の輸送系が心筋肥大の進展によりどのような対応をなしているか、又、このCa^<2+>の輸送に深く関わる膜脂質代謝やアドレナリン受容体がどのように変化しているのか解明することが本研究の目的である。更に、一担肥大した心筋が各種の薬剤で退縮するか、退縮に伴ってどのように変化するか併せて検討した。実験には大動脈を狭窄した肥大心モデルを作成した。肥大心が完成された心筋細胞膜のCa^<2+>輸送系の中でCaポンプおよびナトリウム=Ca^<2+>交換能は非肥大群に比し亢進作用を認めたが、Caチャンネル数はその増加がみられた。膜脂質成分の分析では肥大心にフォスファチジルコリリとフォスチジルエタノラミンの増加を認め、この中でアラキドン酸が有意に高値を示した。一方、アドレナリン受容体の中でアルファ(α)ー1受容体数ベ-タ-(β)受容体数は共に肥大心で増加することを認めた。しかし肥大の退縮のためにアンギオテンシン転換酵素阻害剤を6週間投与した所、αー1受容体数のみ有意に低下した。このαー1受容体数の変化は高血圧ラットモデルでは認められなかった。以上より、本研究期間で成し得た結果では、圧負荷に伴う心筋肥大ではCa^<2+>輸送機構が重要な役割を担っており、肥大心の収縮不全に深く関係していると思われる。更にアドレナリン受容体が肥大の進展や退縮に強く関与していることも考えられた。研究期間中には肥大の分子レベルの研究まで行なえなかったが、今後、肥大心筋の細胞内代謝の異常がどのレベルで変化し、収縮不全を来たすのが解明することが今後の課題と考える。
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