研究課題/領域番号 |
63570410
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
上野 雄二 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50151824)
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研究分担者 |
有田 幹雄 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (40168018)
駿田 英俊 和歌山県立医科大学, 医学部, 研究員 (40163068)
山本 勝広 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (10191397)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 中枢性血圧調節 / 高血圧 / アンジオテンシンII / バゾプレッシン / 圧受容体反射 / 心肺圧受容体 / 迷走神経 |
研究概要 |
目的:脳内angiotensin(Ang)IIの血圧調節及び高血圧発症における役割を明らかにするため、AngIIの急性及び慢性脳室内投与(icv)による血行動態と体液性因子の変動を調べ、さらに圧受容体反射に対する影響を検討した。また、心肺圧受容体反射におけるAngIIとvasopressin(AVP)の関与を、迷走神経冷却ブロック(VCB)による心血行動態反応を指標に検討した。方法:実験(1)は、雑種成犬を用い、予め動脈内と脳室内にcannulaを留置し、AngIIの急性(50ng/kg/min、1時間)と慢性(15ng/kg/min,1週間)icvを行ない、血圧と共に血中及び髄液(CSF)中AVP、norepinephrine(NE)の変化を観察した。さらにAngIIicv後、唯一神経支配を残した頸動脈の閉塞(CO)による血行動態反応を急性及び慢性投与群について検討した。実験(2)は雑種成犬を用い、電磁血流prohe、左房、動脈内及び脳室内cannulaを夫々留置した後、洞大動脈除神経を行った。両側迷走神経に装置したcooling coilを冷却(-2-9℃)し、VCBによる血行動態反応をAngII(50-200ng/kg)またはAVP(4-10μg/kg)投与前後で観察した。結果:AngIIの急性投与により血圧上昇と共に血中CSFAVPは増加したが、NEは変化なかった。また、COによる昇圧、心拍増加反応は対照群に比べ有意に抑制され、迷走神経切断により回復した。一方、慢性AngII投与では同程度の昇圧があったが、血中、CSFAVPは変化なく、COに対する血行動態反応も対照群と差はなかった。VCBによる昇圧、心拍数、心拍出量、血管抵抗の増加は、AngIIicvにより有意に抑制されたが、AVPicvでは変化なかった。総括:AngIIの急性投与時にはAVPの増加と共に動脈圧反射は抑制されるが、慢性投与時にはこれらの変化はなかった。また、心肺圧受容体反射に対してもAngIIは抑制的に作用した。このことから、詳細な機序は不明であるが、脳内AngIIは心肺及び動脈圧受容体反射を何れも抑制し、血圧を高いlevelにresetする可能性がある。
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