研究課題/領域番号 |
63570413
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
沖野 遙 東海大学, 医学部, 教授 (60055689)
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研究分担者 |
一守 康史 東海大学, 医学部, 助手 (60184636)
中澤 博江 (中沢 博江) 東海大学, 医学部, 助教授 (20110885)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | フリ-ラジカル / 再潅流 / ESR / NMR / 再灌流 / 心筋 / CoenzymeQ_<10>アニオンラジカル / 虚血 |
研究概要 |
近年、心筋梗塞の症例に虚血の原因である冠動脈の閉塞を解除する積極的な治療が行なわれ始めたが、血流の再開によって生じる再潅流障害により期待したほどの成果が上がっていない。再潅流障害の起因物質としてフリ-ラジカルが提唱されているがフリ-ラジカルは著しく反応性が高く寿命が短いために化学的に捕足する事は極めて困難である。そのためにラジカルの生体内での動向はいまだ明らかではなくラジカルの発生部位やその障害の波及メカニズムも明確ではない段階である。 本研究は、心筋組織のフリ-ラジカルの直接測定と再潅流障害に対するラジカル消去剤の組織障害防御効果、さらに内因性スカベンジャ-の活性とラジカル発生の関連を検討しこれらとCP、ATP、pHの変化とを関連づける事である。 結果:1)凍結トラップESR法によってはス-パ-オキサイドは捉えることは出来なかった。2)凍結トラップESR法では心筋の常在ラジカルであるユビキノンラジカル(Coenzyme Q_<10>のアニオンラジカル)を測定できた。3)心筋ユビキノンラジカル濃度の低下は、NADH蛍光の減弱で判定される心筋の壊死の出現と一致し、組織障害の指標となった。4)DMPOを用いたスピントラップESR法ではス-パ-オキサイドの発生を再潅流直後に示すことが出来た。(再潅流障害のラジカル説の直接証明)5)ラジカルスカベンジャ-(SOD)投与により再潅流障害は減少した(再潅流障害のラジカル説の間接証明)6)虚血と再潅流時には心筋内のSOD活性は有意に減少しなかった。(ラジカルの発生はスカベンジャ-の減少ではない)7)心筋のエネルギ-代謝とス-パ-オキサイドとの関連づけは出来なかったが、NMRにより心筋にpHの異なる2つのコンパ-トメントが存在し得ることが示された。またその出現は心筋障害の程度の指標となった。
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