研究課題/領域番号 |
63570420
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
重川 宗一 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 部長 (00113738)
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研究分担者 |
岩田 裕子 (多和田 裕子) 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (80171908)
古川 賢一 国立循環器病センター研究所, 循環分子生理部, 室員 (20165468)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 血管平滑筋 / カルシウム / 細胞膜Caポンプ / 環状ヌクレオチッド / プロテインキナ-ゼ / Cキナ-ゼ / 膜電位 / 細胞膜CaATPポンプ / 環状ヌクレオチド / 細胞内Caイオン濃度 / プロテインキナーゼ / フォルボールエステル / 心房性利尿ペプチド / ニトロプルシド |
研究概要 |
過去2年間に行った血管平滑筋細胞Ca輸送系の作用の研究により以下の成果が得られた。1)ラット大動脈初代培養細胞を用いて、生きた細胞からのCaくみだしに関与する細胞膜Caポンプ及びNa/Ca交換系の作用を、定量的に測定する方法を開発した。この実験系を用いて、細胞膜Caポンプ活性に及ぼす種々のプロテインキナ-ゼ活性化の効果について検討した。細胞内cGMP濃度を上昇させるnitroprusside、ANP並びに8brーcGMP、及び、Cキナ-ゼの活性化剤TPAは、Caポンプ活性を有意に増大させたが、細胞内cAMP濃度の上昇はCaポンプ活性には影響を与えなかった。そこで、Cキナ-ゼ活性化によるCaポンプ活性促進の機構を明らかにするため、ウシ大動脈平滑筋から細胞膜Caポンプを精製し、この標品を用いてCキナ-ゼの作用について調べた。その結果、Cキナ-ゼは、CaポンプATPase自体をりん酸化し(ATPase1モルあたり1モルのリン酸化)その活性増大を引きおこすことが判明した。2)ラット大動脈初代培養細胞を用いて、細胞膜Caポンプに対する膜電位の影響について調べた。細胞膜電位は、種々の細胞外K^+濃度とValinomycinを用いて適当な値にクランプした。Caポンプは、細胞静止電位により過分極側で活性の抑制を受け、脱分極側で活性の促進をうけた。このことから、Caポンプが起電位性をもつことが強く示唆された。また、これらの結果は、膜電位を変化させる血管作動物質が、細胞膜Caポンプ作用にも影響を与え得ることを示す。3)ラット大動脈培養細胞を用いて、ATPらのアゴニスト刺激により誘起される細胞内Ca動員の機構の研究を行った。その結果、細胞内cAMP濃度の上昇は、ATPによる細胞内Ca動員を促進すること、サポニン処理した細胞を用いた実験から、cAMPがIP_3による細胞内ストアからのCa放出を促進することを見い出した。
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