研究課題/領域番号 |
63570457
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
泉 達郎 東京女子医科大学, 医学部・小児科学教室, 講師 (80119891)
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研究分担者 |
小泉 ひろみ 東京女子医科大学, 医学部・小児科学教室, 研究生 (90183326)
中野 和俊 東京女子医科大学, 医学部・小児科学教室, 助手 (00172362)
永木 茂 東京女子医科大学, 医学部・小児科学教室, 助手 (20130271)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | West症候群 / CSF・ガングリオシド / 年齢依存性てんかん / 脳成熟障害 / ミエリン形成 / CSFガングリオシド / 発達年齢的変化 / 点頭てんかん / ガングリオシド / GMIガングリオシド / 脳-ミエリン成熟障害 |
研究概要 |
West症候群は乳児期発症の難治性けいれんで、その年齢依存性より基礎的成因に脳の成熟障害の存在が示唆されているが、それを神経生化学的に証明した研究はない。脳脊髄液(CSF)ガングリオシドが脳のホ-ルホモジネ-トと類似の分布型を持つことより、CSFガングリオシドの分析にて脳ガングリオシド形成の成熟度を検討することが可能となりうる。我々はWest症候群患児のCSFガングリオ系列ガングリオシドが低値であることを見出し、点頭てんかんの発症に脳の成熟障害が関与している可能性を検討した。 West症候群9例と疾病対照例13例のCSF各々1mlを平林らの方法により、抗アシアロGMl(GAl)抗体を一次抗体とする高感度TLC/酵素免疫染色法で分析し、デンシトメトリ-で定量した。この方法によりGMl、GDla、GDlb、GTlb、GQlbの5種類のガングリオ系列ガングリオシドの検出が可能であった。West症候群/年齢相当疾病対照群におけるGMl、GDla、及び、総ガングリオ系列ガングリオシドの濃度(M±SD)はそれぞれ次のようであった;GMl、31±27/98±23ng/ml CSF、GDla、147±59/266±57ng/ml CSF、総ガングリオ系列ガングリオシド、692±280/1.486±644ng/ml CSF。これらの値はすべて両群間で統計的有意差が見られた(two sample t-test)。また、GDlbやGTlb、GQlbもWest症候群患児群が年齢相当対照群に比して低値であり、GQlbはWest症候群患児や新生児では検出されないか痕跡程度であった。 ガングリオシドは神経細胞外膜に高濃度に存在しているため、神経芽細胞よりの成熟に重要な役割をなしていると考えられている。West症候群患児CSFにおけるガングリオ系列ガングリオシドの低値は脳成熟の初期段階よりの障害を示し、神経細胞突起カシナプシス、ミエリン形成に障害がある可能性を神経生化学的に示唆した。
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