研究課題/領域番号 |
63570473
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中嶋 弘 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50046009)
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研究分担者 |
長谷 哲男 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70156305)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 皮膚T細胞性リンパ腫 / 菌状息肉症 / helper T 細胞 / Th1 / Th2 / naive T cell / memory T cell / CTCL 予後因子 / 皮膚T細胞リンパ腫 / T hl / T h2 / helperT細胞 / T_<h1> / T_<h2> / interferon-γ / naivi T cell / CTCL / ATL / T細胞受容体 / CD7 / PUVA / LAK活性 / MLTR |
研究概要 |
前回までの研究にて菌状息肉症が末梢T細胞性リンパ腫であり、その腫瘍細胞はヘルパ-T細胞の中の、マウスにおけるTh2細胞、あるいは人でのSanderらの言う"いわゆるmemory T cell"に相当する細胞であることを示してきた。本年度は、更にこの腫瘍細胞が細胞間接着因子として、LFAー1、CD29、VLA4αなどを発現し、リンパ節のホ-ミングレセプタ-と考えられているLeu8や、ICAM1を発現しないことを、免疫組織化学的に示した。このことは、一般的には菌状息肉症がその末期に至るまで皮膚病変が主体であり、内臓には腫瘤等の病変が少ないことを説明するのに不都合な所見ではなかった。また炎症性皮膚疾患において、浸潤細胞のこれら細胞接着因子(LFAー1、CD29、VLAα、ICAM1等)発現はすべての細胞に渡ることなく、浸潤細胞は様々な表面形質持った細胞よりなりたっていた。菌状息肉症細胞における細胞間接着因子の発現様式は、菌状息肉症細胞の皮膚親和性を示すものと考えられた。次に、菌状息肉症浸潤細胞の癌遺伝子産物cーmyc蛋白の発現、DNA polymeraseーα、Kiー67、CD71などの発現を免疫組織化学にて検討したところ、これら抗原の発現が菌状息肉症の病期、CTCLの病期分類ではなく、International Working Formulation(IWF)における悪性リンパ腫の組織分類に、より相関していることが明かとなった。また、末梢血液リンパ球サブセット・各種抗原やマイトジェンに対する反応性と予後の関係を検討したところ、CD3、CD4陽性細胞が正常に保たれているほど予後が良いことが明かとなり、免疫機構の保持、IWF分類が菌状息肉症を考える上でも重要であった。即ち、菌状息肉症を含む皮膚悪性リンパ腫を考えるに当り、菌状息肉症では皮膚に親和性が強いという特徴はあるが、予後・悪性度を考える限りは、他の悪性リンパ腫と際だって異なる性状を示すものではなく、化学療法の効果が悪い点は、腫瘍細胞の性状というよりも、化学療法剤の皮膚への移行などの因子を考えるべきと思われた。
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