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間質と腫瘍細胞の相互作用による放射線治療効果の改善に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570497
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 放射線科学
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

伊東 久夫  慶応義塾大学, 医学部, 専任講師 (20095574)

研究分担者 中村 佳代子  慶応義塾大学, 医学部, 助手 (20124480)
研究期間 (年度) 1988 – 1989
研究課題ステータス 完了 (1989年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード前照射 / 放射線治療 / 間質の血管形成 / 線維肉腫 / 乳癌 / 自然肺転移 / 腫瘍間質効果
研究概要

腫瘍移植部位に前もって照射を行なった後、腫瘍細胞を移植すると、非照射部位の腫瘍に比べて、増殖が遅延する場合と変化を受けない場合があった。一般に、乳癌は前照射の影響で腫瘍の増殖は著しく遷延したが、線維肉腫の増殖は修飾されなかった。その理として線維肉腫細胞には、間質より腫瘍内への血管形成を促進する刺激作用が存在すると推測される。この作用は致死線量を照射した線維肉腫細胞を、生きた乳癌細胞と混和して前照射部位に移植すると、乳癌の出現速度と腫瘍の増殖速度が修飾され、乳癌細胞を単独で移植した場合に比べて、腫瘍の出現までの期間が短縮し、増殖が促進されることにより確認された。
前照射部位に移植した腫瘍を、放射線や化学療法剤で治療した場合、腫瘍の縮小効果は正常組織に移植した腫瘍に比べて著明で、再増殖が遷延した。しかし治癒率で比較すると、前照射部位に移植した腫瘍の治癒は著しく低下した。この両者の矛盾する結果は、前照射部位における腫瘍細胞の増殖遅延と、治療により死んだ細胞の消失速度のバランスより説明できる。
照射部位における腫瘍からの自然肺転移は、正常組織にある腫瘍より小さな腫瘍サイズで発生していた。これは、照射部位にある腫瘍は発育が遅延するため、正常組織に存在する腫瘍と同一サイズに達するまでに長期間が経過して、腫瘍より血中に流入する癌細胞の総数が多くなり、転移を発生する機会が多くなったためと考えられる。
以上の3点が照射部位に存在する腫瘍と、正常組織に存在する腫瘍の差異と考えられる。これらの問題が、臨床上の治療に何如に関与するかについて考察した。

報告書

(3件)
  • 1989 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1988 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 茂松直之: "腫瘍の局所照射が自然肺転移に及ぼす影響と免疫賦活剤によるその修飾" 日本医学放射線学会誌.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 伊東久夫 他: "放射線治療を行なったマウス腫瘍よりの肺転移とOKー432による修飾" 癌の臨床.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Shigematsu, N.: "Effect of local irradiation of tumors on spontaneous lung metastasis and its modification by immunomodifier." Nippon Acta Radiologica.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Ito H. et al.: "Modification of spontaneous lung metastasis from murine fibrosarcomas by OK-432." Jpn J. Cancer Clinics.

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      1989 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 茂松直之: "腫瘍の局所照射が自然肺転移に及ぼす影響と免疫賦活剤によるその修飾" 日本医学放射線学会誌投稿中.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書
  • [文献書誌] 伊東久夫,他: "放射線治療を行なったマウス腫瘍よりの肺転移とOK-432による修飾" 癌の臨床投稿中.

    • 関連する報告書
      1989 実績報告書

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公開日: 1988-04-01   更新日: 2016-04-21  

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