研究課題/領域番号 |
63570525
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 群馬大学 (1990) 東京大学 (1988-1989) |
研究代表者 |
小島 至 (1989-1990) 群馬大学, 内分泌研究所, 教授 (60143492)
貴田岡 正史 (1988) 東京大学, 医学部, 助手 (20153091)
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研究分担者 |
貴田岡 正史 公立昭和病院, 内分泌代謝科, 医長 (20153091)
小島 至 東京厚生年金病院, 内科, 医長 (60143492)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1990年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | インスリン様成長因子 / 細胞増殖 / カルシウム / ジアシルグリセロ-ル / 細胞周期 / G蛋白 / ジアシルグリセロール |
研究概要 |
インスリン様成長因子(IGFーI)は哺乳動物の個体成長を促進する重要な成長因子であるがその作用機序はこれまで不明であった。本研究はマウス由来線維芽細胞であるBalb/c3T3細胞を正常細胞のモデル系とし、IGFーIの作用機序を解明しようとするものである。我々はまずIGFーIが細胞周期依存性に増殖効果を発揮することを明らかにし、その作用を発現できる状態の細胞を用いてIGFの作用機序を検討した。IGFの増殖促進作用は細胞外カルシウム濃度に依存していることから我々はIGFがCa^<2+>に依存した細胞内シグナルを産生するのではないかと考え検討を行った。その結果、(1)IGFが持続的なCa^<2+>流人を惹起すること、(2)それはIGF感受性Ca^<2+>透過性チャンネルを活性化することによること、(3)Ca^<2+>流入が増殖促進活性の細胞内シグナルであること、(4)Ca^<2+>流入を感知して増殖促進をもたらす機構が存在し、それが細胞周期によって調節されていることなどを明らかにすることができた。さらにCa^<2+>を感知する機構としてCキナ-ゼを想定し、ジアシルグリセロ-ル(DAG)代謝に対するIGFの作用を検討した。その結果、IGFが持続的なDAG増加をもたらすことが明らかになった。DAGは、(1)フォスファチジルコリン、(2)グリコシルフォスファチジルイノシト-ル、(3)de novo合成の少なくとも3つの異なった経路により産生され、これらが持続的なDAG増加をもたらしていると考えられた。今後の課題として、このDAGによってCキナ-ゼが持続的に活性化されるかどうか、Cキナ-ゼ活性化が増殖促進にどのように関与しているかなどを明らかにしていかなければならない。
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