研究課題/領域番号 |
63570544
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
片山 茂裕 埼玉医科大学, 第四内科, 講師 (90167338)
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研究分担者 |
児玉 順一 埼玉医科大学, 第四内科, 助手 (30201487)
稲葉 宗通 埼玉医科大学, 第四内科, 助手 (10167265)
丸野 世志子 埼玉医科大学, 第四内科, 助手 (50167657)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | レニン / プロスタグランディン / 糖尿病 / 高血圧症 / 自然発症糖尿病BB / Wラット |
研究概要 |
我々は、ストレプトゾトシン糖尿病ラットにおいて、高血圧が発症し、血漿レニン活性は増加せず、腎プロスタグランディン(PG)E2合成は低下していることを既に報告した(Katayama et al.,Hypertension 7:544,1985)。今回は、自然発症糖尿病BB/Wラットをモデルとして、レニンー腎PGE2の相互作用について検討した。本モデルにおいては、生後65ー90日にして、免疫学的異常により膵島炎が生じ、インスリン依存性の糖尿病を発症する。加えて、高レニン血症は、糖尿病の発症前より、正常Wistarラットの4ー9倍に及ぶ。一方、血圧は、120日齢以上で134±1.4mmHgと対照群の118±2.1mmHgと血圧の有意の上昇を認めた(於本、片山ら、第8回国際高血圧学会発表)。血漿アンジオテンシンII濃度は、BBラットにおいて、Wラットに比べ約5倍の高値を示した。さらに、血漿アンジオテンシノジェン濃度を検討したところ、両群に差を認めなかった。 腎レニン含量には、統計的な有意差はないものの、BBラットで高い傾向にあった。マウス顎下腺レニンに対する抗体を用いた酵素抗体法による染色で、BBラットにおいて、腎傍糸球体や血管壁が強染しており、レニン合成の亢進が予測された。現在、筑波大学応用生化学 村上教授より供与されたラットレニンcDNAを用いてノーザンブロッティングにより、レニンmRNAを定量中である。さらに、腎乳頭部PGE2合成能を検討したところ、BBラットにおいては、明らかに対照群に比べて亢進していた。しかしながら、尿中PGE2排泄はむしろBBラットにおいて低下しており、このことより、BBラットにおける腎PGE2合成は亢進しており、一方、代謝の亢進も存在するものと推測された。現在、HPLCを用いるアラキドン酸の代謝産物、すなわち各種PGの分離定量を確立しつつあり、PGE2代謝産物の分離についても検討中である。以上、自然発症糖尿病BB/Wラットにおけるレニン-腎PGE2の異常について明らかにした。
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