研究課題/領域番号 |
63570552
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内分泌・代謝学
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
吉田 俊秀 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60079770)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
|
キーワード | 肥満 / 褐色脂肪組織 / 褐色脂肪温 / 肝温 / 安静時代謝率 / 基礎代謝率 / 高カロリ-食 / サ-モグラフィ- / 肩甲骨間褐色脂肪組織(BAT) / エネルギー消費量 / resting metabolic rate(RMR) / 高カロリー食 / サーモグラフィー |
研究概要 |
ヒト肥満成因に果たす褐色脂肪組織(BAT)の役割を明確にするため、以下の検討を行った。 1.動物実験:33℃恒温室にて24時間絶食にしたSDラットに、85kcal、40kcal流動食(糖11.5%、脂86.7%、蛋1.8%)又は、蒸留水を強制摂食させ、その前後7時間にわたり、BATと肝及び直腸内の温度変化と、安静時代謝率(RMR)を測定した。その結果、40kcal摂食後は肝温のみ、食直後と食後3時間以後に増加反応を示したが、BAT温は後者のみ増加した。しかし、85kcal摂食では肝温のみならずBAT温も40kcal負荷時に比べ、より強い2峰性の増加反応を示した。一方、RMRは85kcal摂食後、BAT温の増加と等しい2峰性の反応を示した。 2.ヒトでの研究:i)成人単純性肥満者と標準体重者30名ずつを対象に、基礎代謝率(BMR)測定後、高カロリ-流動食(900kcal:糖50%、脂34%、蛋16%)負荷試験を行い、前後7時間まで頸部と肩甲骨間BAT相当部を中心にサ-モグラフィ-にて温度変化を記録した。その結果、全例に食後30〜60分後の温度増加反応を認めた。しかし、1時間以後は一定傾向を認めなかった。食後30分後のサ-モグラフィ-上の反応を前値との比でスコア化してみると、BMRとの間に肥満者ではγ=0.8043(p<0.002)、標準体重者ではγ=0.3677(p<0.05)の相関関係を認めた。又、肥満者の中には、BMRが-20%以下で、このスコア上低値を示した者が7例もいた。ii)高カロリ-負荷後のRMRの測定を単純性肥満者10名にて行ったところ、食直後〜1時間と、食後3〜4時間目にRMRの増加を認めた。 以上の成績は、ラット肥満成因としてのBATの意義のみでなく、ヒト肥満成因に果たすBATの役割に関しても大きな情報を提供した。今後は更に、症例を増やし、過食後長時間にわたるサ-モグラフィ-の測定を行うことにより、ヒト肥満に果たすBATの役割をより明確にしたい。
|