研究課題/領域番号 |
63570557
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
桜田 恵右 北海道大学, 医学部, 講師 (80002161)
|
研究分担者 |
武蔵 学 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (00120064)
今村 雅寛 北海道大学, 医学部, 助手 (20160062)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 増殖 / 分化 / プロテインキナーゼ / EJ-ras遺伝子 / リン酸化蛋白質 / 白血病細胞 / ヒト培養白血病細胞 |
研究概要 |
(目的)細胞の癌化には癌遺伝子の活性化および遺伝子産物の質的、量的異常の関与が明らかにされている。遺伝子産物の多くはプロティンキナーゼ(以下PK)活性を示すが、癌細胞の増殖、分化における各種PKの相互の関連や発現機序には不明の点が多い。われわれは癌細胞のモデルとしての白血病細胞につきPKの相互関連、発現様式や内在性基質を解析することを目的とした。(対象と方法)(1)対象は症例の白血病細胞、ヒト培養白血病細胞(HL-60、K562、MT-1など)とEJ-H-ras導入マウス線維芽細胞とそのflat ravertant RIの増殖期のものを用いた。(2)方法;各種PK活性測定はNishizuka's Kuoらの方法に準じ、蛋白質定量はBrandford法によった。リン酸化蛋白はKatohらの方法に準じ、オートラジオグラムで検討した。(結果と考察)(1)症例の白血病細胞、培養細胞、EJ-ras/NIHおよびRI細胞のPK活性はPK-C(Cキナーゼ)が主たるPKであり、次いでチロシンPK(T-PK)であったが、A-PK、G-PK、カルモデュリン-PKは極めて低値であった。ATL由来のMT-1ではいずれのPKも検出し難かった。(2)MT-1以外の各種細胞はPK-C阻害剤および阻害因子により、増殖は抑制され、DNA合成も阻害された。更にHL-60などでは、T-PK阻害剤により増殖は抑制されたが、PK-C活性は保持されていた。従って細胞の増殖や分化ではPK-CとT-PKは異なった発現様式にあることが示唆された。(3)内在性基質蛋白では、PK-Cにより80K、40K、36K、33Kなどがリン酸化され、EJ-ras/NIHでは40K、36Kが特徴的であった。T-PKでは110Kのリン酸化がみられ、PK-CとT-PKでは細胞増殖での基質蛋白の異なることも示唆された。(4)以上より、白血病細胞の増殖、分化にはPK-CおよびT-PKが密接に関連し、PK-CとT-PKとは細胞種や分化度により発現様式が異なることが示唆され、更に検討中である。
|