研究課題/領域番号 |
63570572
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福原 資郎 京都大学, 医学部, 助手 (40142301)
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研究分担者 |
錦織 優 (錦成 優) 京都大学, 医学部, 助教授 (70101251)
山辺 博彦 京都大学, 医学部, 助教授 (00135592)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | ろ胞性リンパ腫 / びまん性リンパ腫 / bcl-2遺伝子 / トランスホ-ム型リンパ腫 / B細胞性リンバ腫 / 濾胞性リンパ腫 / 14q32転座 |
研究概要 |
軽度悪性群Bリンパ腫に属する胞性リンパ腫(FL)は、その長い臨床経過において中等度悪性群び慢性リンパ腫(DL)へと組織変化を起こす。米国では、約89%のFL症例と30%前後のDL症例において、14番と18染色体との転座〔t(14;18)(q32;q21)〕を認める。すなわち、t(14;18)をもつDLは、FLのトランスホ-ム型リンパ腫と考えられる。この染色体変異は、両染色体の切断部位に座位するIgHとbc1-2の遺伝子転座をもたらし、後者における造腫瘍性活性化の原因となる。 我々は、我が国におけるBリンパ腫の自然史とその臨床的意義を解明するため、FL45症例とDL50症例におけるbc1-2遺伝子の関与を検討し、以下の点を明らかにした。1)3種のbc1-2プロ-ブ(mbr,mcr,5')を用い、FL20症例(44%)とDL3症例(6%)に再構成を検出した。DL陽性例は、いずれも大細胞型(8%)であった。2)t(14;18)(IgH;bc1-2)型FLは、米国人FLと同じ細胞起源を示唆するCD10発現との相関を示した。3)t(14;18)をもつトランスホ-ム型FLとDL大細胞型症例に過剰の18q-染色体を見出した。この続発変異は、従来の胚細胞型増幅とは異なるbc1-2遺伝子の再構成型増幅をもたらすことが明らかにされた。 以上より、t(14;18)型腫瘍は、日米におけるBリンパ腫発生率の相違を反映する主要因子であると同時に、国際間における共通予後因子の設定と治療体系の確立が可能である。これに対し、t(14;18)陰性型リンパ腫の自然史は不明であり、今後の研究課題である。
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