研究課題/領域番号 |
63570611
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
上田 政和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50142419)
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研究分担者 |
田辺 稔 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50197513)
相浦 浩一 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00184010)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 外科侵襲 / 水分・電解質代謝 / ANP / エンドトキシン / アルドステロン / ショック / エンドトキシンショック / 急性呼吸不全 / 末梢循環不全 / 心房性Na利尿ペプチド(ANP) / 生理作用 / 薬理作用 / Endotoxin shock / 熱傷 |
研究概要 |
水分・電解質代謝は個体の生命維持にとって基本的な問題であり、その制御機構を明らかにすることは各種外科侵襲下の病態解明と治療に不可欠である。とりわけ重症感染症における管理は外科臨床上重要な問題となる。そこで、外科領域における重症感染症患者の血中ANPの変動とラットエンドトキシン投与モデルを用いた実験的検討を行い、以下の結果と結論を得た。 (結果)1.重症感染症患者は他疾患群に比して明らかな血中ANP値の上昇をきたし、とりわけ敗血症性shock合併例で高値を示した。感染症を伴わない他原因shock例(主に出血性shock)ではこの様な血中ANPの上昇はみられなかった。2.重症感染症例では感染巣の除去による臨床症状の回復に伴い、血中ANPの低下がみられた。3.エンドトキシン投与後血漿バリプレッシン、アルドステロン濃度は直ちに一過性の上昇を示したが、血漿ANP濃度は比較的長期にわたり高値を持続していた。4.エンドトキシン投与下での尿量および尿中Na排泄量はエンドトキシン投与後0〜12時間で乏尿、12〜24時間でNa利尿がみられた。5.エンドトキシン投与後12時間に抗ANP抗体を投与すると尿量および尿中Na排泄量は減少し、Na利尿の抑制が示された。6.エンドトキシン投与後血漿アルドステロン値はbase lineの3〜4倍に上昇していたが、外因性にANPを投与することによって有意にその上昇を抑制しており、外因性ANPはアルドステロンに対して負の調節をすることが示唆された。 (結論)重症感染症においてANPは変動し、重要な生理的意義を有している可能性が示唆された。
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