研究課題/領域番号 |
63570628
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 山梨医科大学 |
研究代表者 |
松本 由朗 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (20159156)
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研究分担者 |
藤井 秀樹 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30181316)
三浦 和夫 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00221599)
野口 明宏 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80208313)
長堀 薫 山梨医科大学, 医学部, 助手 (00137035)
須田 耕一 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (80090596)
飯塚 秀彦 山梨医科大学, 医学部, 助手 (60184347)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 胆のう癌 / 膵胆管合流異常 / 胆管癌 / 先天性総胆管拡張症 / BrdU / S期細胞標識率 / 細胞回転亢進 / 先天性肝内胆管拡張症 / 膵・胆管合流異常 / 胆管上皮の細胞回転 / 原発性肝内結石症に併存する肝内胆管症 / 胆道粘膜上皮のS期細胞標識率 |
研究概要 |
画象診断法の進歩によって、近年胆道癌に先天的な胆道形成異常が併存する症例の解析が進むと共に無症状の先天性胆管拡張症ならびに膵胆管合流異常が発見される頻度が増加した。疫学的にもこれらの胆道形成異常が胆道癌の発生母地であろうと考えられ本研究を開始した。胆嚢癌については初年度にBrdUのinritro染色で、合流異常例(L、I.3.57%)は正常(L、I.0.34%)例に比べ有意に胆嚢粘膜上皮のS期細胞の標識率が高いことから、細胞回転の亢進が示唆された。また近年原発性肝内結石症においても肝内胆管癌の併存例が報告されるようになった。申請者らは原発性肝内結石症の母地は胆道拡張症であることを既に報告しているが、この結果から肝内胆管拡張症も含めて肝内結石症の胆管上皮の細胞回転を解析した。その結果肝内結石を持たない肝内胆管拡張症または肝内結石症でも結石のない拡張胆管ではBrdUの標識率(LI)は低く、正常例に近い値を示す症例が多い結果を得た。すなわち肝内結石症が肝内胆管癌の併存例では、癌部のL、I、は6.6%、結石の存在する肝内胆管で癌周囲の胆管粘膜上皮は8.8%と高値を示したが結石を持つたない他の拡張胆管の粘膜上皮は1.6%で正常例よりはやや高いものの、明らかに低値を示した。このことは先天的な胆道形成異常に炎症や機械的刺激などの後天的な因子の加重によって発癌に至る可能性を示唆する結果を得た。しかし胆嚢に比べ胆管は上皮の剥脱が激しく、本研究に十分な材料の獲得が極めて困難であった。そして今後も胆道形成異常と発癌の関係の解析は極めて重要な課題として取組むべきと考えるが、細胞回転の方向よりも、胆管上皮の遺伝子レベルの解析から、この問題を解明するべきと考えている。
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