研究課題/領域番号 |
63570654
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
山名 秀明 久留米大学, 医学部, 講師 (30140669)
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研究分担者 |
南 泰三 久留米大学, 医学部, 助手 (10181950)
戸次 史敏 (戸次 央敏) 久留米大学, 医学部, 助手 (10165516)
白水 玄山 久留米大学, 医学部, 助手 (10154379)
藤田 博正 久留米大学, 医学部, 講師 (90156878)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 食道癌 / 生物学的特性 / 生体防御反応 / DNA histogram / モノクロ-ナル抗体 / 増殖期細胞 / グライコリピッド / グライフリピッド / 生体防御反能 / モノクローナル抗体 / 殺細胞効果 |
研究概要 |
1)臨床的研究結果:まず、食道癌の悪性度指標としてのDNA量の解析では、単純にdipliodとaneuploidとの術後の予後を比較するとaneupliodの癌腫の予後が不良であったが、早期癌を除く根治切除例に絞って検討すると両者間に有意差は認められなかった。この理由は、原発巣と転移リンパ節巣のDNA indexが異なる症例が多数認められたことにより、癌自体のDNA量は腫瘍の増殖進展によって変化していくことに起因しているものと考えられた。次に、食道癌細胞の増殖動態をKiー67により検索したところ、陽性細胞率が0%の症例の遠隔生存率が著明に高く、1%以上の陽性細胞を認めた症例と有意差を認めた。しかし、陽性細胞の比率別にみた検索では差を認めなかった。最後に、新鮮腫瘍細胞に対する自家末梢血リンパ球の細胞障害試験により生体防御能を免疫学的に検索したところ、末梢血リンパ球単独では免疫活性は十分発揮できたのに対し、腫瘍細胞との混合培養では抗腫瘍活性が消失し、自己腫瘍の持つ免疫抑制因子(TGFなど)の放出が関与しているものと考えられた。 2)実験的研究結果:新たなヒト食道癌ヌ-ドマウス移植株を用いて新しいモノクロ-ナル抗体を作成を試みてきたが、いずれもサブクラスはIgMが主体であり、現在IgGの抗体をタ-ゲットとしてクロ-ニング中である。ヒト型のモノクロ-ナル抗体作成のため人リンパ球によるハイブリド-マの作成を試みているが、良好なハイブリド-マが得られず更に実験を進めている。また、既にヒト食道癌より作成したKYSMー1の抗原解析を行ったところ、本抗体は蛋白そのものを認識している可能性が強く極めて有用であることが判明した。一方、本抗体は分子量が大きく精製が極めて困難であったが、今回90%以上の純度の抗体を大量に精製でき、RI標識等の実際面の研究が行えるようになった。最後にラットの化学発癌モデルを作成し、EGF投与による発癌率を検索したが、EGF投与群の発癌率が有意に低く、EGFの持つ多作用性が示唆された。
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