研究課題/領域番号 |
63570658
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
柴 光年 (1989) 千葉大学, 医学部, 助手 (20162620)
由佐 俊和 (1988) 千葉大学, 医学部, 助手 (10182669)
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研究分担者 |
山川 久美 千葉大学, 医学部, 助手 (80191211)
藤沢 武彦 千葉大学, 医学部, 助教授 (80110328)
山口 豊 千葉大学, 医学部, 教授 (80009448)
柴 光年 千葉大学, 医学部, 助手 (20162620)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 転移 / 肺癌 / チミジンキナ-ゼ / ラミニン / 縮小手術 |
研究概要 |
本研究の目的は、肺癌の移転・再発を臨床病理学的、細胞生物学的側面より検索し、移転能の診断法を探ることにある。1)肺癌切除後の転移・再発と臨床病理学的因子との関連をみた。その結果、肺癌の2組織型-腺癌と扁平上皮癌-では、臨床病理学的諸因子と血行性移転との相関に明らかな相違のあることがわかった。2)肺癌患者の血清中ラミニンを測定した。ラミニンは基底膜を構成する細胞外基質成分のひとつであるが、最近、移転との関連が注目されている。検索の結果、小細胞癌患者と扁平上皮癌患者で高率に血清中ラミニンが異常高値を示した。肺癌の培養樹立細胞はin vitroでラミニンを産生していることが示された。癌細胞のラミニン産生と移転との関り、さらに血清中ラミニン高値の臨床的意義については、今後の研究課題である。3)肺癌組織抽出液中のチミジンキナ-ゼ(TK)活性を測定した。TKはDNA合成系におけるサルベ-ジ経路の酵素で、DNA合成能を反映し、ひいては癌の移転能の診断に役立つものと期待される。癌組織中のTK活性は、予後不良例のものが予後良好例のそれよりも有意に高く、本酵素が癌の転移能の診断に有用であることが示唆された。また、本酵素の精製法を確立し特異な性質を明らかにした。4)さらに、再発肺癌に対する治療法に確立をめざして、外科的切除の有効性を検討した。再発肺癌肺転移巣に対しては、肺部分切除術等の縮小手術を施工した。再切除後の5年制生存率は約60%と比較的良好であった。腫瘍分化度、リンパ節転移、再発までの期間、大きさ等が手術適応のけつていには重要で再発高危険群の設定、再発の早期診断により外科治療を含めた集学的治療が必要と考えられた。
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