研究課題/領域番号 |
63570667
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
|
研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
山田 則子 東京女子医科大学, 医用工学研究施設, 助手 (50107314)
|
研究分担者 |
桜井 靖久 東京女子医科大学, 医用工学研究施設, 教授 (20010027)
由井 伸彦 東京女子医科大学, 医用工学研究施設, 助手 (70182665)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1989
|
研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
|
配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 血管内皮細胞 / 細胞培養床 / ポリスチレン誘導体 / 官能基導入ポリスチレン誘導体 / 培養床 |
研究概要 |
本研究は従来の培地制御による培養系とは異なり基材表面にin vivoにおける細胞構築に類似した微細構造を種々の官能基を配置することにより分子設計し、細胞膜との特異的相互作用の制御を通じて細胞機能発現を促進する新しい血管内皮細胞培養床の開発を目的とした。 ナイロン610とポリ(プロピレンオキシド)(PPO)またはポリ(エチレンオキシド)(PEO)の組成を異にするポリエ-テル・ナイロンブロックコポリマ-を合成し、それらのフィルム表面の微細構造を透過型電子顕微鏡とX線光電子分光法(XPS)により解析し、ミクロドメインの結晶ー非結晶の分布状態とナイロン610とPPOまたはPEO組成との相関を明らかにした。合成した各種コポリマ-のフィルム上で、ヒト血管内皮細胞を培養し、細胞の接着性を検討したが、細胞接着率は10%以下と低く、細胞接着および増殖能を向上させるためにはポリマ-表面へ種々の官能基の導入が必要であった。そこで、より基礎的な検討を行うために、スチレン・クロロメチルスチレン共重合体にスルホン酸基、水酸基、四級アンモニウム塩をそれぞれ固ー液界面反応で導入したポリスチレン誘導体を合成し、それらの表面をXPS及び動的接触角測定法により解析した。各官能基導入ポリスチレン表面上でヒト血管内皮細胞を培養し、表面特性と細胞の接着性、増殖能、形態変化およびプロスタサイクリン産生能との相関を調べた。スルホン酸基導入表面は高い細胞接着率を示し、形態も安定していた。無血清の場合にはスルホン酸基の導入率に伴って接着率の増加を認めた。四級アンモニウム塩導入表面も高い細胞接着性を示し、スルホン酸基と四級アンモニウム塩導入表面の細胞増殖能は市販の細胞培養皿(Falcon 3002)と同等であった。またプロスタサイクリン産生能は各高分子表面間で顕著な差異を認めなかった。
|