研究課題/領域番号 |
63570690
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
角家 暁 金沢医科大学, 医学部, 教授 (90064518)
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研究分担者 |
飯塚 秀明 金沢医科大学, 医学部, 助手 (50184346)
中村 勉 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (30064603)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 脊髄損傷 / 実験脊髄損傷 / MRI / Hemorrhagic necrosis / Hematomyelia / Myelomalacia / Syringomyelia / Hematomylia / 脊髄浮腫 / 脊髄内血腫 |
研究概要 |
昭和63年度には、私どもは脊髄損傷患者のMRI(核磁気共鳴撮像法)所見について報告した。その結果、損傷の程度に対応してMRI画像に脊髄の病態が輝度変化として表現され、脊髄損傷の病態が経時的に変化するに伴ってMRI画像にも変化を生じることが判明した。臨床的に脊髄損傷の病理像とMRI所見とを直接比較検討することは困難であり、ラットで脊髄損傷モデルを作製し、このMRI像と病理組織学的所見を比較検討することにした。 平成元年度には、実験脊髄損傷モデルを用いて研究を行った。脊髄損傷は、ラット脊髄を脳血管用クリップで硬膜外より挟むことによって作製した。クリップの挟撃時間を変化させることによってさまざまな程度の脊髄損傷を作成することができた。15〜20秒間脊髄を挟むことによって完全損傷が、10〜15秒間の挟撃では不完全損傷が生じた。MRI撮像後、直ちにホルマリン潅流を行い、脊髄を固定後、ヘマトキシリン・エオジンで染色し、病理組織像とMRI画像とを比較検討した。完全損傷のMRI所見では、T2強調画像で脊髄は濔漫性に高輝度を呈し、病理所見は広範な出血性壊死とそれを取り巻く浮腫を示した。不完全損傷では、脊髄はT2強調画像で周辺が高輝度、中心は低輝度を示し、病理所見は軽度の出血性壊死を示した。この結果、脊髄損傷の程度とMRI所見との間に相関があり、損傷程度が強いほどMRIでは高輝度になることが判明し、MRI所見だけで機能予後判定が予測できると結論できた。 さらに、慢性期脊髄損傷についても同様に実験を行う予定であったが、脊髄損傷ラットを長期に生存させることが困難であったため、この実験は不成功に終わった。
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