研究課題/領域番号 |
63570692
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 康夫 川崎医科大学, 脳神経外科, 助教授 (90143809)
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研究分担者 |
渡辺 明良 川崎医科大学, 脳神経外科, 講師 (20192437)
石井 鐐二 川崎医科大学, 脳神経外科, 教授 (40111710)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 実験脳腫瘍 / 血管鋳型 / 微小血管構築 / 血管新生阻害剤 / Bromodeoxyuridine / 免疫組織化学 / 走査電顕 |
研究概要 |
はじめに〕 脳腫瘍の間質である血管は、腫瘍の発育、増殖、さらには治療と関連して非常に興味のある対象である。本研究では、血管新生阻害物質投与における実験脳腫瘍の微小血管構築の変化およびDNA合成期にある血管内皮細胞の変化を検討し、血管新生阻害剤による脳腫瘍治療の可能性を追究した。 結果〕 Eethylnitrosoureaを経胎盤的に投与して誘発する実験脳腫瘍は生後3カ月頃よりほぼ全例に中枢神経系腫瘍が選択的に発生するが、血管新生阻害剤と考えられるhydrocortisone出生直後から連続摂取した群では、腫瘍発生率は有意に抑制され75%にのみ腫瘍の形成が認められた。また、長径が2mm未満の微小腫瘍が全体の20%を占めた。しかし、腫瘍の微小血管構築および血管内皮細胞におけるDNA合成期細胞の分布は血管新生阻害剤摂取の有無には影響を受けず、ほぼ同様の結果を示した。長径が2mm未満の微小腫瘍では腫瘍血管の形成はなく、BrdUを取り込んだ血管内皮細胞核の存在も認められなかった。長径が2mm以上の腫瘍になると初めて正常脳には存在しない特徴的な形態を有する腫瘍血管が形成された。特に、腫瘍辺縁部は“溝"形成、小隆起、盲端など腫瘍サイズに関係なく一定の血管構築を示し、BrdUを取り込んだ血管内皮細胞核が多数存在することから活発な血管新生を示唆する形態学的所見と考えられた。 考察〕 血管新生阻害剤の連続投与により腫瘍の発生率は有意に抑制されたが、その効果を微小血管構築の変化として観察することは出来なかった。
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