研究課題/領域番号 |
63570712
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
吉沢 英造 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (60084555)
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研究分担者 |
宮地 雅也 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手
柴山 通 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手
蜂谷 裕道 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手
小林 茂 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手
中井 定明 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手
西沢 活史 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手
黒瀬 純一 藤田学園保健衛生大学, 医学部, 研究員
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1990年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 神経根 / 脊髄 / 解剖学的構造 / 血流 / 酸素分圧 / 髄液流 / 圧迫障害 / 塩酸エペリゾン / 後根神経節 / 脊髄誘発電位 / 解部学的構造 |
研究概要 |
脊髄・神経根割害の病態を解明すべく、雑種成犬を用いて脊髄と神経根の微細構造,血管形態,血流動態、更に髄液との関係などにつき、走査型及び透過型電子顕微鏡,連続写真撮影装置,組織血流計,脊髄波測定装置等を用いて検討し、以下の成果を得た。 (1)神経根栄養血管である根静動脈は髄液中に浮遊し、根被膜とは極めてゆるく結合するのみである。(2)神経根被膜は菲薄で容易に髄液を透過させ、神経根内膜はくも膜下腔と交通している。(3)神経根の血流は髄液の遮断あるいは排除により約20%低下する。(4)神経根内毛細血管は連続型で血液神経関門が強固ではあるが、30g以下の神経根圧迫で関門の破綻により浮腫を生ずる。(5)塩酸エペリゾンは適量(3mg〜5mg/kg)で神経根の血流増加作用がある。(6)胸部大動脈の遮断は腰髄部血流を直ちに著明に低下させ、脊髄誘発電位の振巾を著明に減少させ、潜時に延長させる。(7)大動脈遮断30分で解除すると、脊髄誘発電位が比較的速やかに元に復するのに対し、脊髄特に灰白質の血流量はもどりが悪い。(8)脊髄軟膜は髄液透過性で、髄内に侵入する脊髄栄養血管周囲腔は髄内深部の終動静脈にまで達しており、脊髄も神経根同様に髄液に浸っている。(9)脊髄の血流は髄液の遮断あるいは排除により約15%低下する。(10)髄液の酸素分圧は脊髄実質の酸素分圧より数段高く、髄液の遮断あるいは排除により、脊髄の酸素分圧は約15%低下する。 以上脊髄・神経根に関する一連の実験結果から、両者とも髄液と密接な関係を有し、髄液状態の変化は脊髄・神経根に少なからぬ影響を及ぼすことが実証された。
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