研究課題/領域番号 |
63570721
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
麻酔学
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研究機関 | 富山医科薬科大学 |
研究代表者 |
久世 照五 富山医科薬科大学, 医学部(麻酔科学), 助教授 (20019938)
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研究分担者 |
宮原 龍郎 富山医科薬科大学, 薬学部(臨床分析学), 助教授 (10019119)
小泉 保 富山医科薬科大学, 薬学部(薬剤学), 教授 (90039636)
伊藤 祐輔 富山医科薬科大学, 医学部(麻酔科学), 教授 (70018307)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1990年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1989年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1988年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 輸液剤 / 乳酸リンゲル液 / 酢酸リンゲル液 / 乳酸ナトリウム / 酢酸ナトリウム / 酸塩基平衡 / 代謝 / 放射線同位元素 / 放射性同位元素 / 輸液 / 乳酸 / 酢酸 / 立体異性 / 放射生同位元素 / 薬物動態 |
研究概要 |
手術・麻酔中の輸液剤としては乳酸リンゲル液ないしは、近年、酢酸リンゲル液が用いられる。しかしながら、それら輸液剤の有機酸であるラセミ体乳酸、Lー乳酸、酢酸については、従来より「迷信」、「俗説」が多いが、我々はアイソト-プを使った動物実験ならびに臨床全身麻酔症例での検討から、以下の事柄を明らかにした。 1.従来より、血液中のDー乳酸値は微量とのみで明確でなかったが、正常値は0.2mg/dlで、Lー乳酸値のほぼ2%に相当した。 2.従来より、Dー乳酸の代謝速度はLー乳酸の4分の1と遅く、投与したDー乳酸の30%は代謝されずに尿に排泄されると考えられて来たが、臨床使用量内では、Dー乳酸の代謝は「線形の挙動」、すなわち「一次反応」に従い、「ミカエリス・メンテンの式」には該当せず、かなりの速度で代謝されており、尿への排泄も2%以下であった。 3.従来より、Dー乳酸は乳酸ラセマ-ゼによりLー乳酸に代謝されると考えられてきたが、哺乳類では非特異酵素のDー2ーhydroxy acid dehydrogenaseによりピルビン酸へと代謝される結果がえられた。 4.従来より、酢酸代謝は乳酸よりも早いと信じられてきたが、アルカリ化能からみた検討では、通常の有機酸量の各リンゲル液間では差がなく、3倍量を含んだ各リンゲル液では、酢酸リンゲル液はラセミ体乳酸リンゲル液より早く反応したが、酢酸とLー乳酸の間、Lー乳酸とラセミ体乳酸の間には差を認めなかった。 5.従来より、正常の血清酢酸値は明らかでなかったが、0.24±0.12mg/dl(n=23,平均±SD)で、かなりのばらつきが見られた。 6.従来より、酢酸測定のための血清は特に注意が払われなかったが、除蛋白後の血清は-70℃の保存が必要であり、それ以上の温度保存では、アセチルグルコサミンからの遊離により、酢酸測定値は高く出た。
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