研究課題/領域番号 |
63570739
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
本間 之夫 東京大学, 医学部(病), 講師 (40165626)
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研究分担者 |
保坂 義雄 東京大学, 医学部(病), 助手 (70133080)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1988年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 膀胱発癌 / 発癌抑制 / α-difluoromethylornithine |
研究概要 |
ラットに、特異的膀胱発癌物質であるN-bury1-N-(4-hydroxybutyl)nitrosamine(BHBN)を0.05%の濃度で含む飲用水を4週間投与し、更に56週間通常の水を与えると、ほぼ100%に膀胱癌が発生する。然し、この発癌は、BHBN投与後にα-difluoromethylornithine(DFMO)を、飲用水に0.5%、0.2%混ぜて投与すると抑制されることが判明している。本実験では、更に低い濃度のDFMOの効果を検討した。 Fischer雄ラットにBHBNを0.05%に含む飲用水を6週間投与し、その後34週間でDFMOを0.%、0.1%、0.03%、0.01%、0%含む飲用水の効果を検討した。実験期間短縮の目的でBHBNは6週間投与を行なった。この間、単重測定、ラットケ-ジの床替え等を行なった。実験終了時には、各群35頭のラットを屠殺し、その膀胱を摘出し組織学的検路を加えた。他には、顎下腺、甲状腺、副甲状腺、気管、肺心、肝、腎、脾、胃、回腸、結腸、前立腺、精嚢、精巣、皮膚、腹直筋骨随等の臓器の組織学的検討も行なった。 その結果、明らかな体重抑制はみられず、0.2%DFMOの群での発癌率は15/35(43%)、0.1%群は14/35(40%)、0.03%群は21/35(60%)、0.01%群は20/35(57%)と0%群の27/35(77%)に比べていずれも抑制されたが、統計学的には、0.2%群と0.1%群のみに有意差を認めた。その他の臓器には明らかな異常は見出し得なかった。 以上の結果より、DFMOは、0.2%、0.1%で有意に膀胱発癌を抑制することが明らかとなったので、これを論文として発表した。
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