研究課題/領域番号 |
63570762
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
北島 清彰 日本大学, 医学部, 講師 (30060106)
|
研究分担者 |
川田 望 日本大学,医学部, 助手
清滝 修二 日本大学, 医学部, 助手 (70102506)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
キーワード | 前立線癌 / ケラチン / ラミニン / 免疫組織化学 |
研究概要 |
33例の手術時に摘出した前立線癌組織を用いて、免疫組織学的にケラチンを染色して癌組織内のケラチン陽性細胞の変化について検討した。方法は酵素抗体間接法、抗血清は抗ヒトケラチン家兎血清を使用し、前立組織はすべて凍結切片を用いた。コントロールとして、染色した前立線肥大症ではケラチンは基底細胞に強い局在が認められ、線上皮細胞では反応は弱かった。前立線癌組織において、免疫組織学的ケラチン陽性であった細胞はH&E染色と比較して基底細胞であることが観察された。前立線癌組織において、large acinarは6例、small acinerは10例に見られたがケラチン陽性細胞は観察されなかった。cribriformは10例に見られ10例ともケラチン陽性細胞は存在していた。9症例のfused glandうち3例にケラチン陽性細胞がみられた。medullaryの7例うち3例にケラチン陽性細胞が観察された。12例のcalumm and cordではケラチン陽性細胞は全く見られなかった。ケラチン陽性細胞の変化による分類ではケラチン陽性細胞が見られないのはlarge acinar、small acinarとcolumn and cordであった。一方、cribriformはケラチン陽性細胞が癌細胞周囲に残っていた。症例によってはケラチン陽性細胞が残っているものはfused gland、medullaryであった。 基底細胞(ケラチン陽性細胞)の消失及び変化は前立線癌の組織構築をよく現していると思われた。ラミニン家兎血清を使った酵素抗体間接法で染色した。前立線肥大症ではラミニンの陽性反応は前立線線腔の基底膜に存在し、1本の線となり線腔をとり巻いて見られた。large acimarの2例中1例、small acimarの6例中1例、fused glandは5例中3例cribriform3例中3例、medullary3例中3例に陽性反応が認められた。column and cordの2例には陽性反応は見られなかった。ラミニンに関してはさらに症例を追加し、検討中である。
|