研究分担者 |
藤田 和之 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (80219005)
広川 雅晴 香川医科大学, 医学部, 助手 (20218829)
山崎 俊彦 香川医科大学, 医学部, 助手 (30201833)
黒瀬 高明 香川医科大学, 医学部, 助手 (60170122)
大野 正文 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (40213821)
安田 雅弘 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (60200507)
笹川 基 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (90187112)
半藤 保 香川医科大学, 医部, 教授 (40092720)
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研究概要 |
1緒言:癌細胞に対するin vitroの抗癌剤感受性試験は癌の化学療法の個別化にとって必要と考えられる。抗癌剤感受性試験の条件として、【○!1】短時間で判定でき、【○!2】操作が簡便であること、【○!3】さらに増殖する細胞の有無を判定することである。これらの条件を満たす方法として、stem cell assayをはじめ種々な方法が開発されたが、すべての癌細胞で可能ではなく、また長時間かかり操作の面でも困難なことがある。そこで癌細胞を採取後、抗癌剤と接触させcell cycleにある癌細胞がどれだけ残存しているかを判定するためDNA polymeraseに対する抗体を使い染色することで短期間で高感度な方法となりうるか否かを検討した。また、癌細胞の生死を生細胞中のミトコンドリア内の酵素によるMTT formazan形成能にて判定した。2方法:(1)当教室で樹立した婦人科悪性腫瘍細胞株を用いた酵素処理により single cellとした癌細胞を一定濃度で48時間培養後、シスプラチンを0.002,0.02,0.2,2,20,μg/mlの各濃度に1時間接触させ、固定、増殖細胞染色テスト(MBL社)を用いPAP法にてDNA polymerase αを染色した。(2)一方、シスプラチン接触後の生細胞数を色専排泄法により計測した。さらに(3)癌細胞株の細胞密度あるいは培養日数における生細胞をMTT assayにより計測した。3結果:シスプラチンによる細胞増殖抑制は0.002,0.02,0.2,2,20μg/mlの各濃度でそれぞれ93%,97%,89%,88%,60%であった。一方、DNA polymeraseの陽性細胞は各濃度において、0.002〜0.2μg/mlでは100%,2.0μg/mlでは約80%以上,20μg/mlでは約50%の陽性率を認めた。MTT assayでは生細胞数に一致するformazanの形成を認め簡便かつ迅速な結果が得られた。4考察:高濃度薬剤群は細胞剰離が著しく判定困難であったが、DNA polymerase αによる免疫細胞化学法によるin vitro抗癌剤感受性試験の可能性、およびMTT assayの簡便性と迅速性を示した。
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