研究課題/領域番号 |
63570790
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 帝京大学 (1989) 大分医科大学 (1988) |
研究代表者 |
森 宏之 帝京大学, 医学部, 助教授 (60010328)
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研究分担者 |
荒川 総子 帝京大学, 医学部, 助手 (20193063)
荻野 雅弘 帝京大学, 医学部, 助教授 (80107680)
松岡 良 大分医科大学, 医学部, 助手 (80165787)
香山 文美 大分医科大学, 医学部, 講師 (10152886)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
400千円 (直接経費: 400千円)
1989年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
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キーワード | 多嚢胞性卵巣症候群 / ド-パミン作動薬 / ブロモクリプチン / LH / プロラクチン / 顆粒膜細胞 / 黄体細胞 / 多衰胞性卵巣症候群 / ド-パミン機構 / プロラリチン / 顕粒膜細胞 / ドーパミン |
研究概要 |
多嚢胞性卵巣症候群におけるド-パミン機構の異常を検討し、同時にラットを用いて卵巣のド-パミンにたいする反応性をも検討することにより、その病態におけるド-パミン機構の異常がもつ意義を明らかにすることによって、多嚢胞性卵巣症候群の病因的・合理的治療法の確立を意図した。多嚢胞性卵巣症候群にたいして、ド-パミン作動薬であるブロモクリプチンを3ケ月投与するとprolactinのみならず著しい高値だったLHも下降し、排卵の回復がみとめられた。この際FSHには何らの影響もみられなかった。またCHRHに対する反応性は、FSHは不変であり、LHは抑制をうけ正常化した。この変化は高プロラクチン血症・潜在性高プロラクチン血症などが合併するか否かにかかわらずみとめられた。すなわちド-パミン補充療法が病態を正常化したと考えられ、多嚢胞性卵巣症候群の病態にド-パミン失調が存在することが明らかとなった。80%の患者がブロモクリプチンに反応して排卵を回復し、不妊の症例の30〜50%が妊娠した。この治療法では従来おこなわれていた治療によりしばしばみとめられた卵巣過刺激症候群はみられず、そのことは本治療が病因的治療であることを示唆している。また卵巣を用いたin vitroの成績では、顆粒膜細胞・黄体細胞のいずれもがド-パミンに反応して20αOH-progesterone・progesteroneの生成を亢進し、その作用はド-パミン拮抗剤のドンペリドンにより阻止された。このことは、ド-パミンの作用部位がかならずしも中枢にあるとはかぎらず、末梢卵巣にもある可能性を示しており、ド-パミン機構の失調部位が中枢・末梢の両者である可能性も否定できない。この点は今後の検討を要する。本研究により初期の目的である多嚢胞性卵巣症候群の病因的・合理的治療法の確立はある程度達成できたものと考えられる。
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