研究課題/領域番号 |
63570796
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
西谷 巌 岩手医科大学, 医学部, 教授 (70000958)
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研究分担者 |
佐藤 健 岩手医科大学, 医学部, 助手 (50167433)
善積 昇 岩手医科大学, 医学部, 講師 (40048492)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1989年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1988年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 性ステロイド関連腫瘍 / Flow cytometry / 性ステロイド受容体 / ヒト子宮内膜癌 / 細胞増殖周期 / ヒト乳癌培養細胞 / 抗癌剤 / 性ステロイド関連腫瘍細胞 / Folw cytometry / ER(estrogen receptor)の変動 |
研究概要 |
Steroid hormones(SH)関連腫瘍は核内調節機構の作動によって増殖分裂や分化誘導をもたらす。したがってsteroid receptor(SR)と核内機能とくにDNA量の変動との関連性は核内acceptor site(AS)における遺伝子活性化機構を解明する上で重要である。SH依存性の顕著なヒト乳癌培養細胞(MCF-7)を用いて、細胞増殖によるER量の変動と、低濃度抗癌剤(Adriamycin(ADR),Methotrexate(MTX))添加によるER量の変動について検討した。細胞増殖によるER量の変動はERcおよびERnともに対数増殖期初期に最高値となり以後減少し定常期初期に最低値となり以後漸増した。殺細胞境界濃度の抗癌剤(MTX10^<-7>M,ADR10^<-8>M)でERcは著減した。殺細胞効果を示さない濃度の抗癌剤(MTX10^<-10>M,ADR10^<-10>M)でERcは著減したが、ERnの減少はMTXでより顕著であった。また、細胞増殖抑制硬化とER減少量に抗癌剤間の差異を認めた。すなわちER量の減少はMTXで、一方、細胞増殖の抑制はADRでより顕著であった。子宮内膜癌の発生母地である正常子宮内膜にたいするSHの遺伝子調節機構を探求するため、30例の成熟期夫人の性周期におけるSRの動態を生化学的に追跡しFCMによる細胞周期との関連性を比較検討した。性周期とSR量の関連性では、ERnおよびERc量は血中E_2レベルの変動に依存した。さらに、S期細胞数の割合は増殖期中期に最大となり、その後、分泌期にかけて減少したが分泌期中期に再び軽度増加した。これらのSH濃度の変動によるSR量およびS期細胞数との相互関係を検討すると、E_2濃度が58.9pg/ml以上でERn量が、また77.0pg/ml以下になるとS期細胞数が減少した。ERc量は、E_2濃度が88.0pg/mlに達するまでは増加し、それ以上の濃度では非結合型ERcの増加あるいはERcの核内転位のため減少した。Progesterone濃度とPR量およびS期細胞数との関連性はなかった。以上の結果、SRとくにERによるDNA regulation mechanismsの存在が明らかとなった。
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