研究課題/領域番号 |
63570813
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
野田 寛 琉球大学, 医学部, 教授 (10045239)
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研究分担者 |
小杉 忠誠 琉球大学, 医学部, 教授 (80045517)
仲程 一博 琉球大学, 医学部, 助手 (90164269)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 扁桃 / 病巣感染症 / tissue type plasminogen activator / plasminogen activitor inhibitor / inhibitor / 誘発試験 |
研究概要 |
蛋白分解酵素の中でもplasminnogen activator(PA)を中心とする線溶系酵素が病巣感染症の発症と症状経過に重大な修飾を行うものであると推察されていた。そこで、これらの推察を実体論的に示すために、扁桃炎モデルを実兎に作製し、扁桃構成細胞の中でも細胞性免疫機能に重要な役割を演じるリンパ球のPAの存在を明らかにした。さらにはヒト扁桃病巣感染症の扁桃リンパ球にはurokinase活性促進物質とそれの抑制物質の存在が、リンパ球培養実験から明らかにされた。このような背景から、もし扁桃リンパ球由来PAおよび線溶系酵素が病巣感染症の発症や経過に重要な意義をもつならば、扁桃誘発試験に際して循環血中のPA活性に変動がみられるものと予想した。誘発陽性群ではtissue type PA(t-PA)量の高値の持続がみられたのに反し、誘発陰性群ではt-PA量の減少あるいは正常化の傾向がみられた。一方、最近t-PAを抑制する物質としてplasminogen activitor inhibitor(PAI)の存在が血液学的研究から明らかにされてきている。そこで扁桃病巣感染症の線溶液系酵素の関与を論じる場合には、t-pA活性とPAI活性の両者の相関性を検討する必要性が現れた。そこで今回は、Biopool社製のSpectrolyse TM/fibnin kitを用いて扁桃誘発試験前後の循環血中のt-PA,PAI活性を測定した。その結果、病巣感染症を疑われた10例の慢性扁桃炎患者では、誘発試験陽性例ではt-PA活性の減少がみられた。さらにPAI活性の変動では、誘発前に15Iu/ml以上が4例であった。6例は誘発前に既に0Iu/m1であった。誘発試験陰性例の中には誘発後にt-PA活性が減少し、PAI活性が上昇している例がみられた。このようなt-PA、PAI変動は生理学的に説明可能な変動であるが、陽性例ではなんらかの原因により、t-PA、PAIの相関性に破綻をきたしているものと推察した。
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