研究課題/領域番号 |
63570818
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
三宅 浩郷 東海大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 教授 (60055720)
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研究分担者 |
飯田 政弘 東海大学, 医学部耳鼻咽喉科, 助手 (80184357)
小松 信行 東海大学, 医学部耳鼻咽喉科, 助手 (80162048)
山内 進 東海大学, 医療技術短期大学, 助教授 (50166576)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1988年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 初期癌 / 扁平上皮癌関連抗原 / 抗扁平上皮癌関連抗体 / 早期診断 |
研究概要 |
扁平上皮癌の早期診断法の確立を研究計画の基本に、我々はこれまで上顎扁平上皮癌組織を材料に扁平上皮癌関連抗原(SCCAA)の分離法を開発し、家兎を免疫して抗扁平上皮癌関連抗体(抗SCCAAb)をえた。この抗体による各種SCCの免疫組織学的診断では93%の陽性率が示されている。この成果に基づき、本研究の課題は、今後継続的に抗SCCAAbを作製するために必要な抗原の確保、即ち上顎扁平上皮癌細胞の株化樹立と株化癌細胞よりSCCAAを分離し、家兎を免疫して得られた抗SCCAAbを扁平上皮癌の早期診断のための臨床応用に導入することにある。 上顎癌組織より継代した癌細胞培養は、現在継続されているが、今回の報告は、すでに見常(東海大・産婦人科)により株化樹立されている子宮頚部扁平上皮癌細胞を材料に、我々の開発した術式でSCCAAを分離し、抗SCCAAbを作製し、この抗体の免疫学的相同性につき検索し検討し、更に臨床応用として、扁平上皮の異型性変化の推移と悪性変化の進展に伴い検出されるSCCAAの局在性と陽性率に関し、子宮頚部高度異型上皮(D・H)、上皮内癌(CIS)および侵潤癌(StageI)を対象に検索し、初期癌診断におけるこの抗体の有効性につき検討し、次の結果がえられた。(1)株化癌細胞より分離したSCCAAで免疫し、得られた抗SCCAAbは、オクタロニー法により、免疫学的相同性を示すFuseする1本の沈降線がみられた。(2)今回作製した抗SCCAAbを一次抗体としたABC法による免疫組織学的検索では、D・Hで7/12(58%)、CISで13/18(72%)、StageIで12/18(80%)、転移リンパ節では、4/4(100%)の成績であり、対照とした子宮頚部腺癌、同筋腫、同腺筋症15例中、陽性を示したのは1例にすぎない。これらの成績は、株化癌細胞によるSCCAAは免疫原として充分なものであり、得られた抗SCCAAbは、初期癌のスクリーニングに有効であることを示している。
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