研究概要 |
鶏(日本白色レグホン)の気管支鳴管をin vivo,マウス(BAlb/c)の喉頭組織をin vivo,人の頭頚部腫瘍及び正常喉頭組織についてin vitroにおいて男性ホルモンに対しアンドロゲン親和性部位について検討を行って来た。それぞれの実験には3HーTestosteroneを用いて,Autoradiographyにより頭頚部腫瘍及び正常喉頭組織,中でも上皮組織が男性ホルモンに対し親和性のあることを確認した。その何れもが男性ホルモン及び他のステロイドホルモンの標的組織同様Testosteroneの局在を示すSilver grainが細胞の核に限局した。人声門癌8検体中2例において内因性男性ホルモンを酵素抗体方を用いて証明した。喉頭扁平上皮癌の担癌生体において男性ホルモンによる癌細胞の発癌,成長等何等かの関与を受けていることが示唆された。 一方,人喉頭癌細胞のステロイドホルモン感受性試験をヌ-ドマウスに移植,維持可能(1例/7例)であった男性声門癌を用いて行った。Cholesterolを対照として各種ステロイドホルモン(Testosteron,estradiolー17β等)を人声門癌移植ヌ-ドマウスへペレットとして接触投与した。癌組織の成長曲線,組織的変化を検討した,しかし,今回維持した人喉頭癌移植株が男性ホルモン及び抗男性ホルモンを初め各種ステロイドホルモンに対し感受性は認められなかった。(第41回気管食道学会にて報告した) 1988年(Chang,C.,Science 240,324ー326,1988)にアンドロゲンレセプタ-のmRNAの塩基配列が報告された。このデ-タから2つのcDNA(400p)を作成し喉頭組織における局在を調べたがmRNAの安定が維持できるほどには検体が取れず5例ともその局在の不明確な組織しか得られていない。
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