研究課題/領域番号 |
63570827
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小椋 祐一郎 京都大学, 医学部, 助手 (70191963)
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研究分担者 |
安渕 幸雄 京都大学, 医学部, 助手 (70210276)
石郷岡 均 京都大学, 医学部, 講師 (80135590)
河野 真一郎 京都大学, 医学部, 講師 (30201445)
本田 孔士 京都大学, 医学部, 教授 (90026930)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1989年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1988年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 網膜接着力 / 網膜下液吸収 / アセタゾラマイド / 実験的網膜剥離 / 網膜冷凍凝固 / レ-ザ-光凝固 / Diathermic electrocoagulation / 渦静脈 |
研究概要 |
1)網膜下液の吸収を著明に亢進させたアセタゾラマイドを静注し、網膜接着力の変化を測定した。アセタゾラマイド15mg/Kg静注時の接着力は2.1×10^2dyn/cmでありこの値はコントロ-ル値1.8×10^2dyn/cmに比較して有意(P<0.001)に増大していた。同様にアセタゾラマイド50/mg/Kg静注時の網膜接着力も2.1×10^2dyn/cmとコントロ-ルに比較して約20%、有意に増大していた。網膜剥離眼ではアセタゾラマイドは網膜下液の吸収を著明に亢進させるが、非剥離眼においては網膜下腔を脱水し、そのスペ-スを最小に保つことにより噛み合わせ構造を密にし、また生体糊としての視細胞間物質の粘着性を増すこと等によって網膜の接着に貢献していることを裏付けるものといえる。 2)実験的網膜剥離における剥離期間と復位後の網膜接着力の回復の関係を観察した。剥離期間が数時間のグル-プでは、接着力は1週後には正常の約40%を示し、その後1か月で漸次回復し、約70%に達した。剥離期間が3日間のグル-プでは、接着力の回復過程はより緩徐で、1週後で約21%、1か月後でも約47%であった。この結果は臨床的には、剥離した網膜の早期復位の重要性をうらづけるものである。 3)網膜冷凍凝固、レ-ザ-光凝固、Diathermic electrocoagulation等の各種網膜凝固後の接着力測定では、自然復位例に比し、凝固後には強い接着力が得られた。しかし、安定した接着力が得られるには2週間から1か月を要した。 以上、網膜剥離の手術法の選択に理論的な背景を与えうる重要な研究成果が達成された。
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