研究課題/領域番号 |
63570833
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
三村 康男 徳島大学, 医学部眼科学講座, 教授 (90028332)
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研究分担者 |
田内 芳仁 徳島大学, 医学部助手(大学院担当講師), 助手 (40163646)
藤田 善史 小松島赤十字病院, 医長 (40127858)
猪本 康代 徳島大学, 医学部附属病院眼科, 助手 (40203278)
塩田 洋 徳島大学医学部眼科講座, 助教授 (20035736)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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キーワード | クラミジア感染 / 前部ぶどう膜炎 / 後部ぶどう膜炎 / 汎ぶどう膜炎 / ベーチェット病 / 原田病 / クラミジア性尿器及び結膜感染症 / クラミジア急性前部ぶどう膜炎(急性虹彩毛様体炎) |
研究概要 |
クラミジアの血清抗体価の測定方法には補体結合反応とクラミジア感染細胞に検体を反応させ、間接蛍光抗体法で測定する方法が用いられてきた。両者を比較検討すると、前者は陽性率が低く、後者の採用が増加傾向にある。更に、後者ではIgG:IgM抗体別に測定できる利点があり、我々も後者を採用した。方法の正確度の検討に、Prowazek小体が確認されたクラミジア性結膜炎患者5例の検討結果は全例陽性で発病後1年を経過してもIgG抗体価は陽性を示した。この結果より方法論的には問題はないと判断し、ぶどう膜炎患者34例及び疾患対照者10例につき検討した結果は、疾患対照者10例は全て陰性、北欧地帯で陽性率が高いとされている前部ぶどう膜炎では12例中1例(12.5%)に過ぎなかった。Clinical entityに特徴的臨床像を欠く後部ぶどう膜炎15例では全て陰性であった。Clinical entityが確立されているベーチェット病では10例中2例陽性、原田病では予想に反し6例3例陽性、眼サルコイドーシズでは1例であるが陽性であった。年齢、性はできる限りマッチさせたが、ぶどう膜炎患者では女性21例、男性13例で、性別の陽性率は女性19%、男性15%で性差はなっかた。クラミジア感染は結膜感染と泌尿器感染があり、結膜炎の罹患の有無は判別できるが、泌尿器感染の有無の判定は困難な場合が多い。従って、ぶどう膜炎のためでなく泌尿器や結膜感染による抗体価上昇の可能性は完全には否定できないが、疾患対照群では10例全て陰性のため、泌尿器及び結膜感染の可能性は少ないと考える。以上の測定結果から、クラミジア感染の既往を期待された前部ぶどう膜炎では陽性率は低く、人種差のある疾患に属する疾患と想定された。ベーチェット病、原田病においてはさらに検討が必要で、発病因子としての検討課題を残したものと考える。
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