研究課題/領域番号 |
63570845
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
茅野 照雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (90152884)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | レーザ / 抜歯窩 / 創傷治癒 / 糖尿病 / 動物実験 |
研究概要 |
我々は、昭和62年度一般研究(C)「レーザの創傷治癒促進効果 特に歯槽骨について」の研究を通じて、健常なラットに作成した抜歯窩創傷に対する低出力Nd:YAGレーザあるいは半導体レーザの照射は、対照群と比較して必ずしも創傷の治癒促進効果をもたらさないことを経験した。一方、レーザの創傷治癒促進効果を示す臨床治療経験の報告を検討した結果、レーザの治癒促進効果はいわゆる難治性創傷(潰瘍等)に対してレーザを照射した際に観察されている傾向が認められた。そこで、本研究課題では、創傷の治癒が著しく遅延する糖尿病ラットに、創傷として作成した抜粋窩に各種レーザを照射し、照射後の抜歯窩の変化を経時的に非照射群のそれと比較することによって、レーザの治癒促進効果について解明することを目的とした。動物は生後3週齢Wistar系ラットを用い、これを2群にわけ一方のStreptozotocin誘発糖尿病ラットを糖尿病群とした。健常群と糖尿病群のラットの上下顎第2臼歯を抜歯し、健常群と糖尿病群をそれぞれ2分してレーザ照射群と非照射群とに分け、経時的に各群のラットの顎を採取し、通法に従って脱灰あるいは非脱灰研磨組織標本を作成し、各種染色(免疫組織化学的手法を含む)を施し病理学的に観察した。一部の研磨標本についてはラジオマイクログラムも作成し石灰化についても観察した。実験に用いたレーザは半導体レーザ、ヘリウムネオンレーザおよびNd:YAGレーザであり、照射条件はそれぞれ[出力60mW、spot size φ1.8mm、1分間][出力15mW、spotsize φ2.0mm、3分間]および]出力5W、spotsize φ2.0mm、0.6秒間]とし抜歯直後に1回照射した。現在までのところ、糖尿病群においてレーザ照射群において非照射群には認められない肉芽組織の誘導、再上皮化および新生骨の形成に至る創傷の治癒過程が進行する傾向が認められ、難治性創傷におけるレーザの創傷治癒促進効果が明らかとなりつつある。
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