研究課題/領域番号 |
63570856
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
山本 浩嗣 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (00102591)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1988年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 口腔の異所的石灰化 / 超微構造 / 微小部X線回折 / 化学分析 / 結晶 |
研究概要 |
口腔領域における異所的石灰化の中で環境変化の違う唾石、歯石、静脈石、線維性骨異形成症の骨及び鎮骨頭蓋骨異形成症の埋伏歯等について、それら超微構造と結晶性、化学組成の特徴を透過型、走査型電子顕微鏡、化学分析装置、微小部X線回折装置を用いて検索し以下の結論を得た。 唾液に関連した異所的石灰化の唾石、歯石では電顕的に顆粒状や平板状構造物が主に観察され、結晶学的にこれらはApatiteに相応した。菱面体結晶のWhitlockiteも約1/3〜1/2の症例にみられ、歯石において同結晶は緑下歯石により多かった。この理由としては緑下にMgとZnイオン濃度が緑上より高い為、同結晶が形成され易いものと推察された。唾石の表面ではピラミッド状物のWeddelliteや層板状のBrushite等の不安定結晶が少数例にみられた。線に発生する異所的石灰化は外方成長を示すが、結晶化は成長最前線に不安定なものが多く、内方に安定したものが多かった。血管組織に発生する静脈石では前述と同様な形態のApatiteが認められた他、表面に有機性結晶もみられた。線維性骨異形成症の骨では顆粒物の他に六角円柱状物やロゼット状物のApatiteが存在し、少数例にBrushiteがみられ、化学組成はCa、Pを主体としていたが、S、Cl、Zn、Fe、Mgも検出され、幼若骨においてS、Clの含有率が高かった。鎮骨頭蓋骨異形成症における埋伏歯は部分的にエナメル質石灰化不全を示したが、結晶性は正常歯牙のエナメル質結晶性と余り差違がみられなかった。 以上述べた如く口腔領域における種々の異所的石灰化に出現する結晶は、それが形成される時期の環境因子を反映しているものと考えられた。
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