研究課題/領域番号 |
63570860
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
|
研究機関 | 鶴見大学 (1990) 神奈川歯科大学 (1988-1989) |
研究代表者 |
西川 純雄 鶴見大学, 教養部, 助手 (60097277)
|
研究期間 (年度) |
1988 – 1990
|
研究課題ステータス |
完了 (1990年度)
|
配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1990年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1989年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1988年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
|
キーワード | エナメル小柱形成 / 細胞骨格 / 蛍光顕微鏡 / 細胞運動 / 電子顕微鏡 / 細胞生物学 / 歯 / ラット / エナメル芽細胞 / アクトミオシン糸 / エナメル小柱 / アクトミオシン系 |
研究概要 |
アクチンとミオシンは、細胞運動に関係する多様な細胞中に認められる細胞骨格要素である。ラット切歯の背丈の高い分泌期エナメルが細胞は細胞間複合結合装置をその細胞体の近位端に持っている。これらの複合結合装置はアクチン、ミオシン、トロボミオシン、alphaーアクチンから成る微細繊維束と相関している。そのタンパク質構成から、エナメル芽細胞の微細繊維束が収縮性であると考えるのは妥当なことと思われる。ラット切歯の内層のエナメル質を作っているエナメル芽細胞は、その近位端の細胞境界部に環状の均一な微細繊維束を持っている。このパタ-ンは他の上皮細胞の微細繊維束パタ-ンと似ている。一方これらの分泌期エナメル芽細胞の遠位部微細繊維束は切歯の長軸に直交する面での細胞境界部で豊富であり、長軸に沿った面ではしばしば繊維束を欠いている。本研究はエナメル器に機械的な傷害を与え、その後のエナメル芽細胞層に働いている外力の微細繊維束パタ-ンに及ぼす影響を調べた。傷害は注射針を下顎切歯の唇側の歯肉から歯槽骨とエナメル質の間に挿入することにより与えられた。注射針を挿入してから、1時間、1日、2日後に動物を固定し、そのエナメル器を調べると、分泌期を含む限定された領域のエナメル芽細胞層が破壊され、残りの部分は形態的に何ら異常が認められなかった。ロ-ダミン-ファロイジンによる蛍光顕微鏡観察および電子顕微鏡観察によって微細繊維束パタ-ンを調べた。この結果、破壊されたエナメル芽細胞層に隣接する分泌期エナメル芽細胞は正常な微細繊維パタ-ンが見られた。このことはエナメル芽細胞微細繊維束の配列は一義的には細胞内の要因によって決定されていることを示唆する。
|