研究課題/領域番号 |
63570867
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70161049)
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研究分担者 |
須佐美 隆史 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80179184)
柴田 俊一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80187400)
鈴木 聖一 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90187732)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1988年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 機械的力 / 歯根膜組織 / 線維芽細胞 / 細胞骨格 / 微小管 / マイクロフィラメント |
研究概要 |
歯牙が咬合機能を失うと、歯根膜細胞の減少・配列の乱れなどが観察されることより、歯根膜組織の組織学的変化と歯根膜組織に加わる力との間に密接な関係があることが推察されている。最初に、培養細胞に機械的力を加える装置を開発した。この装置を用いて、犬の歯根膜細胞をコラーゲンゲルの中に培養し、間歇的にゲルを伸展させ、組織学的に検索をおこなった。力を加えずに静置培養した対照群に比較して、力を加えた実験群においては、細胞数・コラーゲン線維の増加、細胞・コラーゲン線維の力を加えた方向への配列が観察された。この実験方法は「機械的力が細胞機能に及ぼす影響」を研究する上での有力な手段となるものと考えられている。 歯牙の萌出機序の一つとして、歯根膜の線維芽細胞が関与しているのではないかという仮説が提唱されている。そこで、コラーゲンゲルの中に犬の歯根膜線維芽細胞を入れて培養し、ゲルをstrain gageに接続し収縮力を測定したところ、10^4個の細胞あたり、約5×10^<-4>の力を出力することが判明した。この値は、歯牙の萌出力として充分な大きさであり、歯根膜の線維芽細胞の歯牙萌出現象への関与を支持する結果と考えられる。次に、この様な線維芽細胞の収縮現象への細胞骨格系の関与を明らかにする目的で、細胞骨格阻害薬を用いて実験をおこなった。アクチンの重合阻害薬であるcytochalasin Dは用量依存的に収縮を抑制し、8×10^<-7>Mの濃度において完全に収縮を抑制した。微小管阻害薬であるcolchicineは、収縮を阻害したものの、用量依存的ではなく、2.5×10^<-4>Mの高濃度においてもなお収縮現象が観察された。これらの結果より、線維芽細胞の収縮機構に細胞骨格系が密接に関与していることが推定されるが、微小管に比較してアクチンがより重要な役割を果たしていることが示唆された。
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