研究課題/領域番号 |
63570879
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
安孫子 宜光 日本大学, 松戸歯学部, 助教授 (70050086)
|
研究期間 (年度) |
1988
|
研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
|
キーワード | 歯周病 / B・gingivalis / 細胞外膜 / 抗原蛋白質 / 遺伝子クローニング / 塩基配列 |
研究概要 |
B・gingivalis381株outer membrane画分に対する抗血清を用いた免疫学的スクリーニングで得られた遺伝子クローンMD111は、40K抗原蛋白質をコードしている。pMD111 plasmid中の挿入2.0kbDNAの全塩基配列の解読を行った。pMD111 2.0kb中には969bpより構成されているopen reading flame が存在し、start coden上流に、典型的なプロモーター領域は認められないが、パリンドーム配列をもつsterm partsより成るターミナル領域は認められた。塩基配列から推定したアミノ酸組成は、E・coliに産生させたりコンビナント40K蛋白質の組成とよく一致し、疎水性アミノ酸に富む(44%)ことが判明した。また、V8プロテアーゼ、リジルエンドペプチターゼ限定分解によるC末端を含むpeptidesのアミノ酸配列と塩基配列データからのアミノ酸配列とは良く一致した。遺伝子構造から推定したN末端アミノ酸配列は疎水性アミノ酸に富む領域(21アミノ酸)が存在し、これに続く20アミノ酸の配列はリコンビナント40K蛋白質のN末端アミノ酸配列と一致し、リーダーペプチド領域を確定した。また、40Kリコンビナント蛋白質に対する抗血清が先に報告したB・gingivalis特異抗原27K(Adv.dent.Res.2:310-314.1988.)と反応したことから、27K蛋白質のアミノ酸配列を検討したところ、N末端から114番目以降のアミノ酸配列とよく一致していた。すでに27K蛋白質は、B・gingivalis特異抗原であることが判明しているので、MD111が産生する40Kリコンビナント蛋白質はB・gingivalisに感染した患者の血清抗体価測定の為の有用な特異抗原となり得ること、さらにpMD111 DNAの全塩基配列が解読できたことから、DNA複製のprimerが作成出来れば、pMD111挿入DNAをprobeに用いて、DNA polymerase chain reaction法により、歯周ポケット内B・gingivalisの局在について診断することが出来よう。
|