研究課題/領域番号 |
63570886
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 国立予防衛生研究所 |
研究代表者 |
西澤 俊樹 国立予防衛生研究所, 歯科衛生部, 主任研究官 (00072942)
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研究分担者 |
今井 奨 国立予防衛生研究所, 歯科衛生部, 主任研究官 (80072958)
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研究期間 (年度) |
1988
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1988年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | グルコシルトランスフェラーゼ / グルカン合成 / キシロシルフラクトシド / グルカン合成抑制効果 |
研究概要 |
Stveptococcus mutansのう蝕病原因子、グルコシルトランスフェラーゼ(G Tase)によるスクロースからの多糖合成を抑制する糖質として従来知られている糖質は、いずれも酵素反応における転移グルコースの受容体として間接的に長鎖グルカンの合成を抑制している。本研究は酵素反応を直接的に阻害することにより、グルカン合成を抑制するような新しいタイプの糖質の開発とその阻害機作の解明を目的とした。 S.mutans6715株(血清型g)の大量培養上澄の硫安塩析画分からクロマトフォーカシングそしてフェニルセファロースCL-4Bまたはヒドロキシアパタイトを用いたカラムクロマトグラフィーにより約4000倍に純化した可溶性グルカン合成酵素(G Tase-S)および不溶性グルカン合成酵素(G Tase-I)を使用酵素とした。次いでレバンシュクラーゼのフラクトース転移反応を利用し,キシロシルフラクトシド(XF)、アラビノシルフラクトシド(Ara-F)、ガラクトシルフラクトシド(Gal-F)を新たに合成し、G Taseに対するその阻害効果を検討した。 これら糖質のうち、XF、Gal-FにG Taseによる多糖合成の抑制効果が認められたが、Gal-Fの存在下では、反応液中にオリゴ糖が急増し、G Tase-Iおよび-Sのグルコース転移反応が明らかに促進されることから、本糖質の阻害機作は従来通りの受容体としてと結論された。一方XFはG Tase-Iおよび-Sのグルコース転移反応を拮抗的に抑制し、反応液中に遊離のキシロースがペーパークロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、オートラジオグラフィー等で検出できなかった事実から、本糖質は酵素の基質結合部位をスクロースと競い合うと推論された。 現在、本糖質のヒト口腔内における歯垢沈着抑制効果を検討中である。
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